貴女に手当てをしてもらうイソップくんの話 ページ10
夢主ちゃんは、学生という設定のサバイバー。
「イソップさん、今日は安静にしてくださいね。あと、守ってくださってありがとうございました。」
ゲームが終わったあとの荘園の談話室。
サバイバーの中で、1番若いAはゲームで自分を守って怪我をしたイソップの手当てをしていた。
学生である彼女は荘園に来る前にいた学校で保健委員をやっていた為、手当はそれなりに出来る。
「いえ、僕は貴女の為ならなんでもします。」
そう言って、Aの手を握るイソップ。
納棺師であるイソップ・カールは、年下である彼女が好きなのだ。
彼女のことが好きだと気づいた瞬間、急に態度が変わり、周りも混乱している。
「あ、ありがとうございます…」
彼女はぎこちない笑顔でそう言うと、彼は優しく微笑んだ。
ちょっと良い雰囲気の途中、談話室のドアが大きな音をたてて開く。
「A！手当てしてくんね？」
先程ゲームの終わった傭兵のナワーブが現れたのだった。
イソップは彼を軽く睨むが、怪我をしている友人を放っておくことが出来ず、仕方なく自分が座っていた席を立ち、彼女に手当てをさせる。
「嫉妬すんなってイソップ、オレは普通に手当てをしに来てもらっただけなんだって」
彼はイソップがAのことを好きだというのを知っていたので、誤解されないようにと言う。
手当てが終わると、ナワーブはAに感謝し、そのままカスタムでリッパーとチェイスの練習をしに行ったのだ。
「イソップさん、大丈夫ですか？」
彼女もイソップの好意には気づいているが、向こうからそれに関することは何も言わないので、Aも何も言わない。
「Aさん、他の男の所なんかに行かないでくださいね」
彼はそう言うと、談話室から出て行く。
談話室で1人になった彼女はイソップのことを考えていた。
「Aさん、僕の所にいてくださいね…永遠に…」
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