【nrs】長崎の暴走列車、ブレーキを担当しております。【男主】 (ページ21)

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「やっほ〜、みなさーん、天月ですよ〜」

2Dを端に映して、画面には大きくゲームを映しておく。今回はゲームはあくまで作業風景だ。背景に化してもらう。

「あ、なるせくんもいるよ〜」
「なるせです〜、一生紹介して貰えないかと思ってました〜」

なるせはツイートをしないタイプなのでそのままマッチを始めて、数戦ほど繰り返してしばらくしてから本題に入った。

「ねえリスナーさんに聞きたいんだけどさぁ」

そう言うとなるせくんがヘッドホン越しにこくりと息を飲む音がした。リスナーも少しザワザワしている。

「……俺がさぁ、シノくんと仲良くなりたいって言ったらリスナーさん嫌？」
「シノって言うのは俺の幼馴染の人ね。」

なるせくんの補足説明に納得したようなコメントが流れる。何故？と理由を求めるリスナーもかなり多い。

「俺シノくんの声が好きなんよね〜、喋ってみたくて」

コメントはザワザワ。賛否両論と言ったところだろうか。まぁ、分かってはいたけど。本当ならオフで誘えばいい話だ。でも彼はファンだと言うし、オフで誘っても来ないに決まってる。だからこうして退路を絶とうとしているんだけれど。

「……まぁ、いつか、いつかね。コラボできる日が来たらいいなぁ、くらい。」

そう言って話を終わらせれば、しばらく騒いでいたコメント欄もやがて収まってゲームとなるせくんとの話で埋まった。

ここで賛成しかなければ強引にシノくんとお喋りできたのになぁ。そらるさんはすんなりコラボしていたからいける気がしてたんだけど。

シノくんは、まだ喋ったことも無いしあったことももちろん無いけれど、この間のそらるさんとのコラボを見てしまってからなぜだかとてつもなく気になる。居心地のいい声とか、それ以上に話題の持っていき方がうまい。ゲームプレイも繊細そうだし普通に配信者をしたら売れるタイプだ。
ぐるぐる考えていても世論は変わらないし、俺はきっと今のうちはシノくんとお友達にはなれない。残念だなぁ、と軽くため息をついて、ゲームの画面に集中しようとマウスを動かした。