【nrs】長崎の暴走列車、ブレーキを担当しております。【男主】 (ページ20)

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Aからの連絡に目を瞬く。通話を繋いでいた相手―――、例の天月くんは俺が唐突に喋らなくなったのを不審に思ったのか大きい声で俺に呼びかけ続けた。

「なるせく〜ん」
「……あ、ごめん。Aから連絡来てて」
「Aってだれ〜？」
「やべ、……例のね、幼馴染の名前だよ。リークしないでくれ」

しないよ〜、なんて軽く笑って流す天月くんにほっと息を着く。彼はそういう人間ではないし、本当にそんなことはしないと信じられる。まあうっかり漏らしたの俺だから俺が悪いけれど。

「で、幼馴染くんが何だって？」
「……天月くんのファンだから天月くんとは知り合えませんて」
「……え、俺のファンなの？」
「そう、結構前からファンだよ。ライブも行ったことある」

驚いたような声を上げた天月くんは動揺でエイムが馬鹿みたいにブレて、その後すぐに全滅した。
ロビーに戻った2人で、話は先程のAに戻る。

「……ダメなの？」
「リスナーだからねぇ、結構気にしてるみたい」
「そらるさん大丈夫ならいけるでしょ〜？」

「じゃぁ、配信とってリスナーに実際確かめよう？」

あぁ、サイコパスで突拍子のない彼からしい提案がでてきた。

「え、今から？」

準備し始める音がして思わずそう聞くと肯定と取れる返事が返ってきた。なんだこの人。ホントに突拍子もない。まあ今日は暇だしいいか、と了承すれば5分もせずに彼は準備を終えて、俺はその間に水を取りに行って、「ゲリラ配信〜」なんて言って始まった天月くんの枠のコメント欄を開くためにPCの別のモニターの電源を入れた。