【nrs】長崎の暴走列車、ブレーキを担当しております。【男主】 (ページ13)

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「ごめんねぇ、しのくん」

配信終わり、各々Twitter等で呟いてから再びマッチをしていた。すっかり酔っ払った2人につられてテンションが上がって盛り上がっていたら、そらるさんに唐突に謝られた。

「何がですか〜？」
「んー、……元カノのこと？なんか掘り下げたらいけなかったかもって今急に冷静になった」
「ふふっ、だいじょぶっすよ、むしろ俺的には消化できたんで嬉しかったです」
「ほんと〜？ならいいんだけど……」
「そらるさん、Aとはじめましてだからって俺と態度違いすぎん？俺も可愛い後輩だろうが」
「シノくんAって言うの？」
「スルーすんなコラ」
「そうですね、本名はAです」
「じゃあ俺もオフのときはAくんって呼んじゃぉ〜」

俺たちふたりにスルーされてすっかりしょげたなるせはその後何も言わずに単独降下し、見事に初動被せでダウンしていた。

「たすけてください……」
「馬鹿なんかお前は」
「Aが俺の事無視するからだろうが！！！」
「はいはいなるせちゃんごめんね〜よちよち〜」
「お前のそういうところじゃね、彼女にフラれたの」
「うわすごい傷の抉られ方したから蘇生できないわ」

ぎゃあぎゃあと騒ぐ俺たちにそらるさんも乗っかり、収拾のつかないままゲームを続けていたら立て続けに初動で落ち、3人とも配信で稼いだポイント以上が溶けていった。

「ねえそろそろやめない？俺はじめまして？ってくらい当たらないわ」
「俺も眠いし寝よっかな〜」
「なるせちゃんは作業で〜す」
「え、かわいそう」
「作業イプしてくれんの？」
「いや寝るけど」
「お前のそういうとこ割とすき」
「ほんと？俺も俺のこと好き」

その回答にそらるさんが呼吸困難になるほど笑って、落ち着いてから軽い挨拶を交わして通話は終わった。
ああなんだか今日は一生分笑った気がする。心做しか腹筋が痛いくらいだ。

「寝るかあ」

なるせは何だかんだ俺を幸せにしてくれる天才だ。配信に呼んでくれたなるせに感謝しつつ、俺はベッドに身を投げて意識を夢へと放った。