【nrs】長崎の暴走列車、ブレーキを担当しております。【男主】 (ページ12)

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通話をぬけ、3人のグループを作ってしばらくしたら通話ソフト独特の音がして、彼が入ってきた。間もなくそらるさんも入ってきて、緩くこんばんは〜なんで挨拶をし始める。

「こんばんは〜、はじめまして〜」
「こんばんは！はじめまして〜」
「うぇーいやりましょ〜」

ロビーに集まった3人を見てレディを押す。まもなくマッチが開始されてから暫くして、そらるさんがAに問いかけた。

「なんて呼んだらいいの？」
「あ〜…………、うーん、……」

彼は活動者ではないし呼べる名前がない。それは当然のことだ。

「……じゃあシノって呼んでください。」
「しの？」
「はい。」

急にできたニックネームに謎の懐かしさを覚えて暫く考えたが一向に答えは分からない。まあ後で思い出せるか、と放置してジャンプマスターをAに渡すとコノヤロウ、と返事が返ってきた。

2戦、3戦、と続けたあと、ふ、と思い出して質問をしてみた。

「しのって名前、なんか聞いたことあるようなないような」
「ついこのまえまで付き合ってた彼女の浮気相手の名前」
「あぁ、愚痴の時に聞いたんか……お前えぐいね」

少し遠くでそらるさんが引くほど笑っている声が聞こえて、つられてAも少しだけ笑った。

「そんなおもろいっすか？笑えるなら良かった」
「いや……ごめん、笑う、つもりなかっ、たん、だけど、ふふっ、」
「いやもう笑ってください、俺はもう彼女作らないって決めました」
「そんな酷い浮気されたの？」
「俺歴代の彼女みんなに浮気されてるんですよ、呪われてんのかな」

コメントはこんなに声かっこいいのに、優欲しそうなのに、とAを褒める言葉で埋まる。

「コメント慰めてくれてるよ」
「えー？ほんと〜？嬉しいなぁ。元カノ達に見せてやりたいっすね、これ」
「いやでもコメント正しいよこんなに優しくて声かっこよかったら浮気しないで結婚したいでしょ」
「いやなんか、しっかりしすぎてダルいらしいっすよ。今の流行は少し抜けた男子っぽいです」

あー、……なんてそらるさんの気の抜けた声にAはまたくすくすと笑った。この間すごく落ち込んでいたから消化できたなら良かった、ともう温くなったアルコールを喉に流し込んだ。