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深夜の生放送。今日はそらるさんと2人でAPEXのランクを回す配信だった。2人ともそこそこ酒が入っていて、そこそこにテンションが上がって騒いでいた。コメントの反応も上々。やっぱりそらなるコラボはリスナーも嬉しいみたいだ。握りしめたコントローラーを置いて酒を一口流し込むとそらるさんがヘッドホン越しに息を吸う音がした。

「なるせぇ」
「はい?」
「……もう1人ほしくない?」

APEXは3人で回すゲームだ。当然フルパーティーで回した方が効率がいい。しかし。

「天月くんは今日は無理って言ってましたよ」
「なんだアイツ〜、カスじゃん」
「コラッ」

大爆笑したそらるさんは相方が納期ギリギリで呼べないと嘆いた。ああ、彼が何を言いたいのかちょっと察したかもしれない。

「おまえ誰か呼べる人いないのー」
「あー……俺が呼べる人……?こんな時間に?」
「そう、呼んだら来てくれそうな人」
「幼馴染なら多分来ますよ」

おっ、と期待を込めた声にやっぱりなぁ、なんてため息。

「呼んでもいいっすけど、変なこと言わないでくださいね」
「変なことって何」
「いやわかんないっすけど……、リスナーさんはいいんすか?」

不安なのは、彼のリスナーにAが叩かれたりしないか、だ。Aは歌い手の友達もいるし、Twitterだってアカウントはあるしそこそこに巡回してる。ここでもし呼んで、叩かれることになんてなったらずっと不安定な彼の心がどうなるかなんて俺には想像に容易い。

「叩かないでしょ。あらなるめいで大丈夫だったでしょ?」
「まあそうっすね」
「じゃあいけるよ、こえかけて」

はいはい、と適当に返事をしながらスマホを手に取り彼にLINEを送る。来れるか、と送れば直ぐに既読がつき、PC起動するのでdiscord招待してください、と堅苦しい文章で返ってきた。

「来ますよ、部屋立てます」
「おっ、やったね〜!」

1度通話を切って静寂が訪れたこの部屋とは正反対に、そらるさんの配信のコメント欄は俺とそらるさんのリスナーの期待でとんでもない速さになっている。ちらりと見かけた中で再びトレンド入りを果たしたというコメントを見て、俺はまた盛大にため息をついた。

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作者名: | 作成日時:2022年1月16日 22時

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