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惜しからざりし ページ44

ドンッ…と音が鳴り慌てて飛び起きる。

ガンガンと頭が痛み出すがお構い無しに音のした部屋に入ると天井に雌豚が刺さっていた。

雌豚「銀さぁん!!銀さんどこぉ!?」

坂田「なんだなんだ!?」

雌豚「ぎ、銀さん!!ちょっと助けてくれないかしら…出られないの。」

坂田「天井弁償しろこの雌豚がァ!」

騒ぎを聞きつけた旦那が部屋に入ってくるなり猿飛あやめを殴り飛ばした。

「うわぁ…。」

坂田「オイィィィィィいッ!!逃げんなクソが!弁償しやがれッ!!」

「…ッぅ…。」

急に立ったことによる立ちくらみで壁に手を付きズルズルとしゃがむ。

坂田「おい、大丈夫か!?ちょっと失礼すんぞ。」

旦那にスっと抱えられ布団の上に下ろされた。

坂田「今日は一日休暇をやろう銀さん優しいから…ゆっくり治せよ…神邑…。」

心配そうに眉を顰めながらもいつもの調子で言葉をくれる旦那に今だけは…甘えていい…よな?

「…旦那…もう少し…傍に…居てくれ…。」

今まで誰にも甘えてこれなかったからか声が震えているのが分かる。
だがしっかりと旦那の着流しの袖を引く。

坂田「フッ…良いぜ、甘えな神邑なら何時でも甘えていいんだぜ?」

「…俺は…″お兄ちゃん″だから、あの二人を支えなきゃ行けなかった…母さんに頼る訳には行かなくて、くそハゲ親父は帰って来ない…それでもお兄ちゃんだからで頑張って来た…。」

坂田「そうか…。」

「神威の話を聞いて…神楽の母親代わりもした、それでも神威は親殺しを実行した…俺はッ…何処で間違ったかなぁ…!!」

今までの疑問や不安が爆発したのかボロボロと涙は零れ上手く息が出来なくなる。

坂田「よく分かんねぇけどさ…そのお兄ちゃんっての辞めればいいんじゃねぇの?さっきからお兄ちゃんだからで我慢してんだろ?だったらお兄ちゃんを辞めれば我慢することも無くなるし思い悩む事もねぇんじゃね?」

「お兄ちゃんを辞める…?」

坂田「そ、神楽も神威君ももう立派に一人で立ってるだろ?神楽は未だ俺らが居るけど…もう彼奴らの心配は要らないんじゃねぇのってこった。」

そっか…もう二人は居場所を見つけたのか…俺が拠り所にならなくてもいいのか…。

「そっか…俺はもう要らないのか…。」

坂田「そういう事じゃねぇよ!?お兄ちゃんの神邑はここに居て俺といる時だけとかその時はただの神邑って事で…それじゃダメなのか?」

「…旦那と居る時はただの神邑か…それも良いな…。」

坂田「…神邑?」

「あ…りが…とぅ…。」

俺はゆっくりと眠りに着いた。

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- 早く続きが見たいです!ゆっくりでもいいので更新待ってます! (2022年12月22日 7時) (レス) @page44 id: 2bc0f45ebb (このIDを非表示/違反報告)
亜月 - めっちゃ好みです!応援してます! (2021年7月25日 22時) (レス) id: 670a53b6c0 (このIDを非表示/違反報告)
闇夜 - 皆に愛される感がいいです。これからも更新頑張ってください。 (2020年4月16日 15時) (レス) id: ab2e31f108 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 更新頑張ってください!! (2020年2月15日 23時) (レス) id: e826140184 (このIDを非表示/違反報告)
サラ - この小説私好みでいいです!!早く続きが見たいです!!少しずつでも、更新頑張ってくださいね!!^^ (2019年7月15日 21時) (レス) id: 7fb4496ab8 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:shell | 作成日時:2019年4月26日 14時

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