鬼さん五人 ページ6
[銀時、あの川分かるだろ?前連れてった。]
[ん?おう分かる。]
[そこに行くだけだよ、すぐ戻る。]
[そうか…でも気を付けろよ?]
[分かってるよ、すぐ戻るから。]
そう言って歩き出す、一人になりたくて。
夜風が気持ちいい今日はいい月夜だ……松陽さんに会ってから血に濡れる事は無くなった、剥ぎ取りもしないでも俺も銀時も刀は持ってる…。
川に着き足を水に浸す…何かの気配がするが人では無いな…一人になりたいんだけどな。
グルルルと唸り声を上げ出てきたのは大きな狼だった…。
[どうした…ここはお前の縄張りか?]
«言葉を理解出来んくせに聞いてどうする。
[理解出来るから聞いてるんだ…。]
狼は心底驚いた顔をした。
«ほぉー……理解出来る人間など珍しい。»
[生まれつきでな…で、ここはお前の縄張りか?]
«そうだ、喰われたくなければとっとと出てけ。
[喰われたくないが、出てく気もないんだなー。]
«何だと?我が怖くないのか。
[怖かねぇよ…喋れるし、感情分かるし。]
[人は動物が何考えてるかわかんねぇから恐れるんだろ?俺は分かるから怖くねぇよ。]
«不思議な小僧だ…我は銀狼…狼を束ねる神だ。
[へぇー、俺と契約しようよ…銀狼。]
«契約?お前のような小僧と?»
[他に契約した奴もいるぞ?]
«……良いだろう…我を怖がらぬ奴は初めてだからな!
[契約はお前に名を付けることだけど…。]
«構わん、主と認めよう…名をつけてくれ。
[
«鏡牙……何故この名を?
[お前の銀の毛並みが鏡みたいだなと…それから牙が立派だからだ!]
«そうか……主は知らないだろうが鏡牙という名は皆の鏡となり、強くあれと言う意味があるんだぞ?
[そうなんだな……なら尚更つけて良かった!]
«ありがとう…主。
[あぁ、鏡牙…ん?……誰かな?そこに居るのは。]
«子供か……殺すか。
[駄目だよ鏡牙…物騒。]
ガサガサと草むらから出てきたのは、俺と同じ長髪の男の子だった。
[君は?こんな夜に危ないぞ?]
[貴方だって同じでしょう、坂田Aさん。]
[ほぅ、俺の名前を知ってるのか?]
[えぇ、俺は桂小太郎です。]
[じゃあ、コタだな。]
[コタ……まぁいいでしょう。]
[鏡牙…戻っていいよ森が騒がしいからね、何かが荒してるみたい。]
«そうしよう。
鏡牙は森へ
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作者名:shell | 作成日時:2019年3月19日 18時