鬼さん二十四人 ページ26
[この方を殺せば宜しいので?]
[はい!この女は僕の母を殺して父を奪ったんです!!]
[では、三百万頂きますよ?]
[はい!三百万でも四百万でも出します!なのでお願いします!]
[この方の居場所は分かりますか?]
[えぇ!あ、地図書きますね!]
親切だな……。
渡された地図は丁寧に書かれていた。
[有難う御座います……では二日後此処でこの方の死体と共にお待ちしております。]
[分かりました!]
一日が経ち……その夜…女を殺し、朝方に森へと向かう。
昼前に依頼人がやって来た。
[あぁ!有難う御座います!!本当に有難う御座います…これが報酬の三百万です。]
[えぇ、確かに……ではまたのご利用お待ちしております。]
女の死体を引き摺り森へと入って行く。
何故って?死体を放置する訳にはいかないだろ?
だから、森に埋めるんだ……そうすれば死体は木の栄養になる…。
良い事だろ?
[やってる事は最低だけどな。]
その日の夜も人が来た……。
[死神様……お願いします僕を殺して下さい。]
[貴方は死にたいのですか?]
此奴……死んだ目してる…銀より遥かに……。
[僕は、もう生きていたくないんです……親は僕が生まれて来なければって……周りからは死ねって言われて……もう辛いです…此処に三百万あります…僕を殺して下さい。]
[……良いでしょう…三百万頂きます…楽に逝きなさい。]
[はい!]
殺した少年は笑顔だった……死んでも柔らかい笑みで死んでいた……。
[君は木の栄養になる…必要になるんだよ……あの世で楽しく暮らせると良いな。]
少年を木の根元に埋め……花を添える。
アネモネ…薄れゆく希望……それが花言葉だ。
この少年にピッタリだろう…生きている中で薄れて行った希望…。
[……仕事だ…。]
気持ちを切り替え…森の入口の大木の木の上に座る。
[死体様だァ?んなのいるわけねぇだろ!ただの噂だ噂!]
誰だろ……俺を噂とか言ってんの…チンピラ?
あ、チンピラだ……。
[死神様ァ?居るなら出てきてくぅーださいな!]
[用が無いならお帰りな……出ないと殺しますよ。]
[ヒッ……す、すいませんでしたァ!!]
だっせぇ……ただ声掛けただけだろ?まぁ、邪魔は居なくなったし良いか。
[死神様っ!!私のお願い叶えてくれる?]
子供?
[ご用は?]
[あのね!あのね?私のパパを殺して下さい!]
[どうしてでしょう……。]
[私のパパはね?ママを殴るの!私も叩かれるの。]
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作者名:shell | 作成日時:2019年3月19日 18時