ツンデレくんと家政婦ちゃん【青】

でーと ページ16

「Aちゃん！今週の日曜日、空いてる？」

「あいてますよ」

金曜日の夜。

食器洗いをしていたら、スマホをいじっていたころんさんが、リビングから聞いてきた。

「よかった！ねえ、ふたりで映画でも見に行かない？」

「映画？」

どきっとした。

「そう。さとみくんにもらったの、チケット。さとみくん、この映画観ないらしいんだよね。」

よし。洗い物終わり！

わたしはタオルで手を拭いて、ころんさんの所に行った。

「なんの映画ですか？」

「これ。」

ころんさんからチケットを受け取る。

【好きになっちゃいけないひと⠀】

「れ、恋愛映画ですか？」

「そうっぽいね？さとみくんご、せっかくだから女の子を誘ったらって」

女の子、か。ころんさん、私を選んだんだ？女友達とかたくさんいそうなのに。ちょっと嬉しくなる。

「あ、別に無理して行かなくていいんだよ？ぼくも、こういうのあんまりみないから、よく分からないし」

「あ、いやみたいです！主演の女優さん、好きなので」

「あ、そう？じゃあ、日曜日、よろしく」

「はい」

うわあ。

ころんさんと映画デートだ！


…って、これデートって言っていいの？ころんさんも、あんまり意識してないみたいだし。

ていうか、ころんさんと出かけること自体初めてだ。そう考えるとどきどきしてきた。

しかも、わたし最近忙しくて出かけてなかったんだよね。映画なんて久々だし。

どきどきしながらも、ちょっと楽しくなってきた。

自分の部屋に戻ると、ピコンとスマホが鳴った。さとみころんから、映画誘われたでしょ?

え？なんで知ってるの？…あ、チケット、さとみさんから貰ったんだっけ？それにしても、なんで私と行くって知ってるの？

Aはい。チケット、ありがとうございます!さとみデート、楽しんできな〜

！！

デート。


意識して、顔が真っ赤になってしまった。



わ〜。めっちゃ変な終わり方〜。

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