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十五 ページ16

そのうち、頬を掴む手にも力がこもってきて、痛みを感じる。

「離せっ…イテェっ…!」

頑張って掴む手を離そうとするが、身長同様人一倍大きな寂雷の手はビクともせず、余計に痛みを感じるだけだった。

「嗚呼、もういっそ外から鍵をかけられる部屋でも作って閉じ込めてあげようか…?そしたらそんなふうに男娼みたいに男を誑かしたりしないだろう…?」

遂に我慢の限界が来て、俺は寂雷の頬を思いっきりひっぱたいた。

「俺はお前の所有物じゃねぇよ!寂雷の馬鹿野郎!」

そう言ってスマホだけを持って玄関まで走り、外へ飛び出す。

追ってくるかな、とも思ったが、暫く隠れて家を見ても寂雷が出てくる気配がないためそのまま駅へと走った。

ほぼ無心で勢いのままのった電車に揺られていた俺は、財布を持ってないことを思い出して、何処かも確認せず電車を降りる。ギリギリ前使っていた定期が残っていたが、もう少しで無賃乗車するところだった。

どうせ残金じゃ新宿までは戻れないし、いい機会だからあの家を出ようかとも思うが、財布すらないんじゃどうにもならないと思って、途方に暮れて道端に座り込んで顔を伏せた。


小一時間ほど経っただろうか。急に明るい光に照らされて顔を上げると、そこには懐中電灯を持った男性が立っていた。

「おや、男性でしたか。女性かと思いましたよ。」

手袋をつけ、眼鏡をクイッと上げたその人を見上げて、随分顔の整った人だなぁと感心していると、その人はこう続けた。

「通りで女性が座り込んでるって通報があったもので。ああ、私横浜中央警察署の入間と申します。帰宅途中にその要請が来たので私服ですが。必要なら手帳もお見せします。」

お巡りさんかぁ。通報って…ああそうか、サンダルで飛び出してきたし、顔も伏せてるから女性と見間違えても可笑しくないか…。

「どうしました?違法な薬でもやられたんですか?だとしたら応援呼んで署に行ってもらわないと…残念ながら私は科が違いますので。これも業務外ではありますが。」

「あ、いや…同居人と喧嘩して飛び出してきちゃって…財布持ってなくてどうしようかなって……」

壮大な勘違いをされては困るので、きちんと受け答えすると、お巡りさんはため息を1つついてこちらを呆れた目で見た。

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ぴょん - 続きを全裸待機してます!頑張ってください! (1月15日 23時) (レス) @page18 id: 86a9e1bede (このIDを非表示/違反報告)
猫好き - 最高( ̄▽ ̄)bグッ!! (2019年2月6日 23時) (レス) id: fdca804d9b (このIDを非表示/違反報告)
いわしごはん(プロフ) - 終わった?わくわくしながら、次の話のボタンを押そうと思っていたのに・・・。続きお願いします! (2018年11月18日 15時) (レス) id: 2259fbefdb (このIDを非表示/違反報告)
ライ - ニヤニヤします…更新頑張ってください! (2018年8月11日 2時) (レス) id: c192be7d67 (このIDを非表示/違反報告)
陽宙(プロフ) - 伍目神さん» ありがとうございます!亀更新ですが頑張ります! (2018年8月7日 8時) (レス) id: af97603e18 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:陽宙 | 作成日時:2018年7月30日 7時

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