08：地獄のプリンセス ページ8
「おつかい……ですか」
「ああ。赤ん坊でもできる簡単な事だ。リストはスマホに送ってある」
怒りがようやく収まったのは、クレーマーから電話が来て四時間ほど経った頃だった。
おつかいならば確かに赤ん坊でも出来そうだ。
でもボスが言うおつかいは不安でしかない。
「あー……一応言っとくが間に合わないなんて言葉は俺の中には無い。死んでも買え」
「全力は尽くしますが……中にはあと30分で店が閉まるものもあります。どうしましょう」
「どうしましょう？？HAHA、面白いことを言うじゃねえか。殺されたくなければ何がなんでも間に合わせることだな」
ボスはクルリと回転して部屋に戻っていくのを見届けたあと、こっそりファックした。こっそりだ。
こういうとこで発散しとかないと体よりも先に心がやられてしまうので。
自分で上手い言い訳を作り、そんな時間はないと開き直る。
「wow！えーと、今から走ればギリギリ……ってもう考える時間もない！んもーっ！！」
簡単なコートを羽織り、慌ただしく出ていく。
街を出ればそこはやはり地獄なのだと実感出来る。
目を瞑りたくなるような惨状に私は尚急いで買い物に向かうようにした。
絶対間に合わせなきゃ！
そう力強く角を曲がった瞬間、誰かとぶつかった。
スピードを落とさずにぶつかったので、思い切り互いのおでこがぶつかりあった。
……
しかしぶつかったのはこちらの落ち度。
どんな人物であれど謝らないと＿＿＿＿＿
「あら？あなた、A？そうよね？そうだわ！fuu！久しぶりねー！！」
「チャーリー！？」
驚くと同時に、久しぶりの再会に胸を躍らす気持ちの方が高かった。
「ぶつかったのがチャーリーでよかった。あ、でも本当にごめんなさい。こんなに思い切りぶつかるなんて」
「やだわ、もう！そんなの気にしないわよ！それよりも積もる話もあるでしょう？？ここらでお食事でも如何かしら！！」
積もる話、というのは多分チャーリーの方があるのだと思う。話したそうにうずうずしてるのが分かるから。
何だろうか、と思うと同時に私は我に返った。
「oh......いけない！私、今働いてる上司からこの店に行けって言われてるの。あと十七分で閉まっちゃう」
「うそごめんなさい！……あの、でもその店今日はやってないわ。店主が風邪ですって」
え。うそ。
そんな言い訳、ボスに通用するとでも？
……私の地獄人生、終わりだ。
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コモ(=´∀｀)W(プロフ) - すごく面白いです!更新待ってます! (4月26日 18時) (
レス) @page26 id: e059f57a83 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - glicoさん» ありがとうございます🥲︎ (3月16日 9時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - あいうえおさん» ありがとうございます🥲︎V軍団本当に個性豊かで見てて飽きないですよね笑 (3月16日 9時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
glico - よき作品にあってしまった...!更新待ってます❗ (3月15日 21時) (レス) id: 2397b8754e (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 甘い声で話すVox...解像度高くてニヤニヤしちゃいます笑ハズビンホテル特にV軍団が大好きなのでこういう小説助かります☺️更新頑張ってください！ (3月2日 21時) (レス) @page23 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うらら | 作成日時：2024年2月15日 18時
