07：分かったこと ページ7
ここへ来て一週間が経った。
分かったことはいくつかある。
まず一つ目。
「新商品の企画書だ。通しといてくれ」
「通しといてくれと言われましても……これはいつからの企画でしょうか……」
「五分前だ」
なんでもない様に言い放つこのテレビさんは一体何を考えてるのか。
企画書に目を通すと、多分勢いで書いたのだろう。字はぐちゃぐちゃで、オマケとでも言うように何が書いてるのか分からないイラストがある。
そう、ここ、Voxtec社は半分はこの上司のハードな注文に耐えられずクビになる社員が多かった。
そして二つ目。
"マニュアル"という大体の仕事場にはあるものの存在が一切ないこと。
あったとしてもボスの口からで、それも大体後からコロコロ変わったりする。
「あーもう、捨てるだけ捨てて行きやがって……」
アラスターの助手をやっていた頃よりも数百倍大変だ。
「はい、こちらVOXtec社のAと申しま……」
「"おい！！おたくの商品はどうなってやがんだ！？"」
wow……ここへ来て初めてのクレーマーだ。
もちろんうちの商品はボスがいる限り欠品なんてありはしない。これもただのイチャモンだ。
だが、大人の対応をしなければ何をされるか分かったもんじゃない。
「商品……というのはどういったものでございましょうか」
「"あ"？お前女か？？はっ、使えねえな。男を呼べ男を。どうせ女は女々しく泣いてりゃいいんだからよ"」
はぁ、初めてのクレーマーが中々厄介な人とは、私もツイてない。
男の社員、と言われても他の社員も死に物狂いで働いている。声をかける余地は無い。
ふと、ボスがいつも座ってる椅子に目を向けた。案の定、また何かを閃いたのか一心不乱にパソコンで入力している。
「あの……お客様が女性だと不満らしく……どうしましょう」
「今話しかけるんじゃねえ！！最高の
「しかし……我社の商品に不満があるようで……」
「…あ"ぁ"？」
……三つ目。
ボスは自分の商品に不満を言われるとこの上なく怒る。
とにかく、怒る。
私じゃ手をつけられないほどに。
ドスの効いた声は私のデスク上の電話口に向かう。
「"あ、やっと出やがったな＿＿おい！オタクの商品が……"」
「次お前が俺の商品に文句をつけようモンなら、八つ裂きにしてやる！！ファック！」
「"は！？おい、女！Voxが出るなんて聞いてねぇぞっ"」
クレーマーはそう言って電話を切る。
ボスはまだご乱心のようだった。
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コモ(=´∀｀)W(プロフ) - すごく面白いです!更新待ってます! (4月26日 18時) (
レス) @page26 id: e059f57a83 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - glicoさん» ありがとうございます🥲︎ (3月16日 9時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - あいうえおさん» ありがとうございます🥲︎V軍団本当に個性豊かで見てて飽きないですよね笑 (3月16日 9時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
glico - よき作品にあってしまった...!更新待ってます❗ (3月15日 21時) (レス) id: 2397b8754e (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 甘い声で話すVox...解像度高くてニヤニヤしちゃいます笑ハズビンホテル特にV軍団が大好きなのでこういう小説助かります☺️更新頑張ってください！ (3月2日 21時) (レス) @page23 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うらら | 作成日時：2024年2月15日 18時
