03：契約成立 ページ3
サキュバスの悪魔
それが私だと教えてくれたのは、アラスターだった。
危険を感じた時や相手を自分のものにしたい、と感じた時に出るのがピンクの煙らしい。
この煙は吸ったものを惑わせ、やがて自分の思い通りにさせる。
しかし効果は上級悪魔であればあるほど薄いらしく、アラスターには全く効かなかったし、効いたとしてもちょっと混乱する程度。
だから目の前のVoxも、そこまで害は受けなかったのだろう。
＿＿＿＿にしてもこれはやばい事になったのでは
「ふう、ようやく収まったか。クソみてえな悪魔だな。……いやいや怒るつもりはない。ただファミリーにならないかと誘ってるだけだ」
「顔が怒ってます」
怒ったり、穏やかになったり、感情がテレビの画面で交互に移り変わるのをみて私は逃げる準備をする。
「はは、ああ。逃がすつもりは無い。お前は既に俺のものだ」
「ちょ……」
肩を捕まれ、今度はピンクの煙を出す前に彼のグルグル回る瞳を見てしまった。
これは、ヤバい。
理性が失われていく感覚だ。
彼の目を数秒見たあとの私の体は、もはや言うことを聞かなかった。
「これでいい。お前は職を手に入れ？俺は有望な社員を手に入れる。契約成立だ！」
「契約……」
「前の上司の契約の残り香がまだあるが……まあいい。どうせクソみてえな悪魔なんだろソイツは。おっと、口が悪くなってしまったな」
Voxは意思がない私をみてニンマリと笑みを浮かべると再び電話をし始める。
「あぁ……ヴァレンティノ。さっきはいきなり切って悪かったよ。少々契約に手こずってね」
「"俺との電話切りやがったな！Vox！！今日は俺をとことん満足させろ！！"」
「はぁ、仕方の無いやつだ。分かってる。だがそれはこの社員を連れて来てからだ」
「"ほお、例の女社員だっけか？また拾ってきたのかよ、今度はいつまで持つか、お楽しみだな"」
電話の向こうから聞こえる笑いを聞き、Voxは電話を切った。
そして私に向き直り、手を取る。
「まあ、歓迎はしてやるさ。名前は？」
「A……」
「ではA。VOXtec社並びにチームVへようこそ、歓迎するさ。お前が有能なうちはな」
意地悪そうに笑うVoxは、心の底から楽しそうであった。
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コモ(=´∀｀)W(プロフ) - すごく面白いです!更新待ってます! (4月26日 18時) (
レス) @page26 id: e059f57a83 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - glicoさん» ありがとうございます🥲︎ (3月16日 9時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
うらら(プロフ) - あいうえおさん» ありがとうございます🥲︎V軍団本当に個性豊かで見てて飽きないですよね笑 (3月16日 9時) (レス) id: 95fb161e69 (このIDを非表示/違反報告)
glico - よき作品にあってしまった...!更新待ってます❗ (3月15日 21時) (レス) id: 2397b8754e (このIDを非表示/違反報告)
あいうえお - 甘い声で話すVox...解像度高くてニヤニヤしちゃいます笑ハズビンホテル特にV軍団が大好きなのでこういう小説助かります☺️更新頑張ってください！ (3月2日 21時) (レス) @page23 id: 20a9a81cbb (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：うらら | 作成日時：2024年2月15日 18時
