弐拾陸話【後編】 ページ13
炭治郎(!!...血の匂いが濃くなった!死んでないのか?頸を斬ったのに!鬼が消えていく時の灰のような匂いがしない)
キュッ
累「僕に勝ったと思ったの?可哀想に哀れな妄想して幸せだった?僕は自分の糸で頸を斬ったんだよ。お前に頸を斬られるより先に...」
炭治郎(立て!早く立て!呼吸を整えろ!急げ!早く!正しい呼吸なら!どんなに疲弊していても関係ない!急げ!急っ)
累「血鬼術、殺目篭」
炭治郎「落ち着け!落ち着け!…クソッ...!!こんな時に腕が上がらない...!)
サッ
炭治郎(誰...だ?...)
義勇「俺がくるまでよく堪えた。後は任せろ。」
累(次から次に!僕の邪魔ばかりする屑共め!血鬼術、刻糸輪転!)
炭治郎「…!」
瑠維「義勇ー!やったれー!」
義勇「全集中。水の呼吸。拾壱ノ型。凪...。」
ジョキン
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母さん「累は何がしたいの?」
累「答えられなかった。人間の頃の記憶がなかったから。本物の家族の絆に触れたら記憶が戻ると思った。自分の欲しいものがわかると思った。俺は…
体が弱かった。生まれつきだ。走ったことがなかった。歩くのでさえも苦しかった。無惨様が現れるまでは...僕が鬼になったのを、両親は喜ばなかった。強い体を手に入れた俺が日光の光に当たれず人を喰わねばならないから。
昔、素晴らしい話を聞いた。川で溺れた我が子を助けるために死んだ親がいたそうだ。俺は感動した。何という親の愛。そして絆。川で死んだその親は見事に親の役目を果たしたのだ。それなのに、何故俺の親は俺を殺そうとするのか。母は泣くばかりで殺されそうな俺を庇ってくれない。偽物だったのだろう。本物じゃなかった…何か言ってる...まだ生きてるのか。『丈夫な体に産んであげられなくて…ごめんね...』その言葉を最後に母は事切れた。『大丈夫だ累!一緒に死んでやるから!』殺されそうになった怒りで理解出来なかった言葉だったが、父は俺が人を殺した罪を共に背負って死のうとしてくれていたのだと。本物の絆をあの夜。自身で切ってしまった。俺が落ち込んでいると、無惨様は俺を励ましてくださった。俺は間違っていなかった、そう思うより他どうしようもなかった。」
つづく
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作者名:佐倉。 瑠維 マカロンペ朱鳥 兎羽 x他3人 | 作成日時:2019年9月16日 21時