弐拾漆話【前編】 ページ14
累(毎日毎日。父と母が恋しくてたまらなかった。偽りの家族を作っても虚しさが止まない。結局俺が1番強いから誰も俺を守れない庇えない。強くなればなる程人間だった頃の記憶も消えていく。自分がなにをしたいのかわからなくなっていく。俺は何がしたかった?どうやっても。もう手に入らない絆を求めて。必死で手を伸ばしてみようが届きもしないのに。)
炭治郎(小さな体から抱えきれない程の大きな悲しみの匂いがする)
ギュゥ
累(暖かい。陽の光のような優しい手。思い出した。はっきりと僕は。謝りたかった。ごめんなさい。全部全部僕が悪かったんだ。どうか許して欲しい)でも…山ほど人を殺した僕は地獄に行くよね…父さんと母さんと同じところへは行けないよね…」
『一緒に行くよ。地獄でも。』
『父さんと母さんは累と同じところに行くよ』
累「全部!僕が悪かったよう!ごめんなさい!ごめんなさい。ごめんなさい。ごめんなさい!」ポロポロ
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瑠維「炭治郎君…」
義勇「人を喰った鬼に情けをかけるな。子供の姿をしていても関係ない。何十年何百年生きている醜い化け物だ」
炭治郎「殺された人たちの無念を晴らすためこれ以上被害者を出さないため勿論俺は容赦なく鬼の頸に刃を振るいます。だけど鬼であることに苦しみ、自らの行いを悔いている者を踏みつけにはしない。鬼は人間だったんだから、俺と同じ人間だったんだから!足を退けてください!醜い化け物なんかじゃない。鬼は虚しい生き物だ悲しい生き物だ!」
義勇「お前は」
タッタッタッ
瑠維(誰か来る..?!)
瑠維「しのぶちゃん!」
しのぶ「あら?瑠維さんと朱鳥さん!...と、冨岡さん、どうして邪魔するんですか?」
しのぶ「鬼とは仲良くできないって言ってたくせに何なんでしょうか?そんなだからみんなに嫌われるんですよ?」
しのぶ「さぁ冨岡さん。どいてくださいね?」
義勇「俺は…俺は嫌われていない」
瑠維「ブッ…」
朱鳥「と、冨岡」
しのぶ「あぁ…それ…すみません。嫌われている自覚が無かったんですね」
しのぶ「坊や?」
炭治郎「はい!」
しのぶ「坊やが庇っているのは鬼ですよ。危ないですから離れてください」コソコソ
炭治郎「ち、違います!いや違わないけど…あの!妹なんです!俺の妹で!それで!」
しのぶ「まぁそうなのですか。可哀想に。では、苦しまないよう優しい毒で殺してあげましょうね」
つづく
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作者名:佐倉。 瑠維 マカロンペ朱鳥 兎羽 x他3人 | 作成日時:2019年9月16日 21時