同居人が顔面の良さと色気爆走させてる【赤井秀一】 (ページ19)

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目的のクレープ屋さんにつくと
綺麗な店員さんがクレープ生地を丸い鉄板に広げ、それを別皿に移し替えてたっぷりの生クリームとカスタードクリーム、そしてイチゴやバナナ、キウイなどの色とりどりのフルーツを盛り付けて
それを丁寧に巻いているのが見えた。

涎がこぼれ落ちてしまいそうになる程見てるだけで満足する程に美味しそうなボリューム満点のクレープ。

「安室さん、よくこんな所知ってますね」

「えぇ、まぁ...ポアロで調理を任されていますからね
　美味しくて評判のお店で味の勉強をしがてら...ってとこですかね」

「それはそれは仕事熱心ですな」

店員さんからクレープを2人分受け取ると、安室さんと共に「ありがとうございます」と頭を下げ、そのクレープにかぶりついた。

「お、美味し〜....！」

「お気に召して頂けたようで僕も嬉しいです」

そんな嘘偽りない安室さんの笑顔を見て私はハッとする。

.......あれ？なんだろう....

凄く楽しいんだが...。

「安室さんて....好きな人とかいないんですか？」

何故か、そんな思い切った事を口にしていた。

そんな突拍子もなく放った私の発言に
安室さんは驚く事もなく微笑んでいる。

「....どうでしょうね」

余裕の笑み。
そんな笑みを浮かべて安室さんは私の頬に触れる。

「Aさん、次は頬に生クリームがついてますよ」

「....げ、」

無意識に安室さんに助けを求めるような目を向けると
安室さんは頬の生クリームを取ってくれる。

さっきから食べ方汚すぎる女みたいじゃん私...

恥ずかしくなって顔を彼から隠せば
彼は私の心を見透かしたかのように言う。

「良いじゃないですか
　美味しく食べている証拠ですよ」

「....お気遣いありがとうございます...」

気を使われた。
23歳にもなって食べカス付けまくるなんてなんと言うイタイ女だ私は...。

「さっきの質問の続きですが...」

「....え？」

「Aさんみたいに嘘をつく事が苦手な素直な女性の方が好きになる傾向がありますね」

「...............え？.......女性...が？」

安室さんのその言葉に大きく瞬きを数回すれば
彼は一瞬目を見開いた後、吹き出すように笑った。

「何か勘違いされているようですが
　僕は同性愛者ではないですよ」

「え？そうなの！？」

まさかの衝撃の事実を知った。