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──そう、これが私と彼の甘酸っぱい何かの幕開け
「おはようございます、Aさん」
「.....おはようございます」
一睡もできなかった私に反して彼はぐっすり熟睡していたんだなと思えた。
何故なら朝から凝った料理をダイニングテーブルの上に並べているからだ。
こんなの寝不足じゃあ作れないよ。
手作りの卵サンドにカボチャのポタージュ
それにミキサーにかけたバナナジュースまで用意しちゃって...
主婦か何かで?
「良かったら食べてくださいね
料理にはそこそこ自信があるので」
「えぇ、見れば分かります...」
美味しく無いはずがない見た目。
私のお腹がはやくこの料理を寄越せとぐーぐー喚いている。
「有難く頂きます」
「どうぞ」
言わずもがな一口それを口に運べば一睡もしていない事なんて何処かに吹き飛ばされてしまうほどの美味しさだった。
「え...おいし...」
時が止まってしまったかのように目をキラキラと輝かし、思わず表情が緩んでしまう私をみて昴さんは優しく微笑む。
「これまでに無いほど嬉しい反応をしてくださる」
「....これまでに無いほど美味しいです」
昴さんも私の前の席に座ると手を合わせていただきますと一礼する。
あー、料理を口にする、それだけの事すら上品かつ、爽やかで。本当にビジュアルが国宝級に良い。
食事を全て平らげ、勿論作ってくれたお礼に洗い物は私が担当した。
その間ソファで新聞を読みながらコーヒーを飲む彼は思い出したかのように私に問いかける。
「Aさん、荷解きまだでしたよね?
良ければ手伝いましょうか?」
「....あ、いえ
服とか小物しかないし大丈夫ですよ」
「そうですか...」
さすがに昨日が初対面の人に手伝わすわけにはいかないでしょ。
とは言っても明日から仕事が始まるしなんとしても今日で終わらせたい。
あー、こういう時新一がいたらなぁ...。散々こき使えるのに。
(とりあえず眠いしカフェインぶち込むか...)
洗い物が終わり、昴さんが用意してくれていたコーヒーをマグカップに注ぎそれを持って私もソファに腰掛けようとするが、昴さんの読んでいた新聞のある記事に目がいく。
その記事の内容は...
"名探偵眠りの小五郎がまた迷宮入りの難事件を解決!"
「わー、小五郎のおじさんまた大活躍じゃん」
無意識に昴さんの背後から乗り出すようにその記事を覗き込んでいた。
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よんたん(プロフ) - 悠希さん» 有難うございます❤︎頑張れます🥹励みです🥹🍀 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - しまさん» 赤井しゃん...❤︎笑 有難うございます🥹 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - ダイアナさん» 嬉しい...有難うございます😭 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - アンさん» 頑張れます🍀ありがとうございます❤︎ (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - さくら(ふぶきち)さん» ありがとうございます❤️ (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:よんたん | 作成日時:2023年5月2日 1時