11 ページ13
「はーい、それじゃあ歯磨きレッスン始めますね〜
鏡持ってくださいね〜」
あれから半月ほど経ち、仕事には慣れてきた所だ。
ちなみに私、歯科衛生士をしてます。
「はーい、ちゃんと一本一本丁寧に磨いてくださいね」
まさかこの仕事で、後に大事件となってしまうほどの恐怖を体験するとは思ってもみなかったけれど。
けどそれは、まだ先のお話。
今日の診察が終わり、着替えや身支度を終わらせ医院を出たその時だった。
(赤い車...?)
医院前に赤い車が停車していた。
なんとなくその運転席に目を向けてみると、そこには見覚えのありすぎる人物が。
それを見て何故?という表情を浮かべていれば
サイドガラスがウィーンと音を立てて昴さんの顔が乗り出す。
「お疲れ様です、Aさん
帰りにたまたま近くを通ったら良い時間だったので
待ってしまいました」
「そんな...家まで歩いて10分ぐらいの距離なんですから待たなくて良かったのに」
「良いじゃないですか、たまには」
彼を見ただけで、私の仕事の疲れは何やらどこかへ消えてしまう。
(そういや外で会うの初めてかも....)
彼の車の助手席で彼の横顔を横目で見ていた。
「....僕の顔に何かついてますか?」
「あ、いや別に...」
見てることがバレてしまったのでフロントガラス越しに前の景色を見ていると(ただの道だが)昴さんは私に問いかけた。
必死に平然を装っていても
すぐに調子を狂わせられる
「....僕の事でも考えてましたか?」
何故か悪戯っぽく、笑みを浮かべながら彼は言う。
「...え?!ち...違いますよ!」
「冗談ですよ」
「......っ。」
あなたのペースに引き込まれる。
「仕事どうですか?
慣れてきましたか?」
「はい、院長も優しいし
他の衛生士さん達もとっても気さくなので」
「そうですか、それは良かった」
「.......なんで昴さんがそんなホッとしてるんですか?」
これが仕方ない事だと誰か教えてくれたら
がんばってカッコつける事もなかったかも
「....さぁ、何故でしょうね」
初恋は大体こういうものだって。
きっと、息を呑むようなその笑顔を見たこの瞬間から
──いや、違う。
きっと、
出会ったその瞬間から、私は彼を好きになる運命だったのだと
そう思えた。
1214人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
よんたん(プロフ) - 悠希さん» 有難うございます❤︎頑張れます🥹励みです🥹🍀 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - しまさん» 赤井しゃん...❤︎笑 有難うございます🥹 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - ダイアナさん» 嬉しい...有難うございます😭 (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - アンさん» 頑張れます🍀ありがとうございます❤︎ (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
よんたん(プロフ) - さくら(ふぶきち)さん» ありがとうございます❤️ (5月22日 14時) (レス) id: b102824eca (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:よんたん | 作成日時:2023年5月2日 1時