ダメ? ページ6
「……何それ」
「クッキー、貰ったの」
「まさか、ストーカーからじゃないよね?」
「そんな訳ないじゃん。最近仲良くなった人」
袋を開け、クッキーを丁度いい大きさに砕き、口に入れる。
目の前の友人は私を相も変わらず訝しげに見ていた。
「Aはさー、もっと自覚した方が良いよ。自分が綺麗だって」
「それ、流石に言われたらちょっとイラっとこない?」
「まー、くるけど。はあ……Aに彼氏ができないのが未だに謎だよ」
「彼氏、できたことないから」
「は……?」
恋は何度か経験している。
けど、告白しても付き合ってもらえなかった。
『雨宮さんは高嶺の花だから付き合えない』
『雨宮さんは僕をおいていきそうだから付き合えない』
大体、そう言われて失恋するのだ。
「そりゃ、ストーカーのこと好きになっちゃうわ……」
「あの人は……私のタイプだったから」
「いや、でもさ……」
「じゃあさ、亜美のタイプの人がストーカーで、付き合ってくれって言われたらどうするの?」
「断る。タイプでもストーカーは……」
佐野さんは、確かにストーカーだった。
でも、仲良くなりたいと思っていただけで。
「……好きになっちゃ、ダメ?」
「その言い方はズルいぞ」
付き合いたいけど、付き合えない。
痒いところに手が届かない。
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作者名:アンドロメダ | 作成日時:2019年9月11日 20時