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餌やり ページ16

「お邪魔しまーす」
「いらっしゃい」
「本山幹子さん!」

本山幹子さんを見つけるなりなんなり、私はすぐに駆け寄った。
はあ……可愛い。

「最近全然会えてなかったから……嬉しい……ああ……可愛い……」
「A、こっち来て」
「わー……これが食べるもの……」

動物園では近くで見れない、お肉。
……どうやって仕入れてるんだろ?

「餌代がかかるから……食肉加工センターでクズ肉流してもらってるんだ」
「へー……これって、人間でも食べれますかね……?」
「さあ……でも、食肉加工の工場だし、ちゃんと調理すれば食べられるんじゃないかな」
「今度、少し分けてください」

これを少しもらえば、食費浮くしお肉食べられる。
そして何より、手料理を振る舞える!
なんて素晴らしい……

「え?」
「あー……人間が食べられるってわかったらで良いんですけど……
ほら、こんなにたくさんあったら腐ることもあると思うので、
腐らせるくらいなら少し食べてもいいかなって」

相手は少し考えた後、いいよ、と言ってくれた。
やった。

「ちょっと待ってて……」

そう言うと、目の前でお肉を切っていく佐野さん。
ぴちゃぴちゃと、音がした。

「はい。本山幹子さん、ご飯ですよ」

佐野さんが近くにいて、手が重なっている。
恥ずかしいけど、嬉しい。
そのまま一緒に、本山幹子さんを眺めていた。

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設定タグ:あなたの番です , 佐野豪   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:アンドロメダ | 作成日時:2019年9月11日 20時

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