相談 ページ15
「二階堂くん、相談って何？」
「いきなりなんですけど、雨宮さんは……愛した人が殺人鬼だったら、どうします？」
「別に……どうもしないけど」
え、と相手の驚く声がする。
逆に、刺激して殺られちゃったら元も子もないでしょ。
「逆上されたら怖いな……って」
「ああ……そういうことですか……って、納得できません」
「なんか人間らしくなったね」
あ、わかった。
「黒島沙和」
そう言っただけで、相手は反応していた。
付き合ってたんだ。
だから最近、なんか少し愛想良くなったんだ。
「捕まったんでしょ？忘れちゃえば良いじゃん」
「そう思っても……できないんですよ。早く忘れようと思っても、忘れられないんです」
「ケア用のAI作ってあげよっか？」
「良いですよ……自分で作りますから」
前の二階堂くんは、機械みたいだった。
冷たくて、全然仲良くしてくれない。
無理矢理仲良くして、今はこうなってる。
「えー、作らせてよ。それか、実験台、紹介して」
「嫌ですよ。いませんし」
「いそうだけど」
「いませんから」
あ、メール来た。
『今日、本山幹子さんに会いに来てください。待ってます』
急いで、
『楽しみにしてたんです！本山幹子さんによろしくとお伝えください！』
「雨宮さん、最近なんか嬉しそうですね」
「ああ……彼氏できて。二階堂くんの知ってる人かな」
「……気を付けてくださいね」
「何が？」
「尾野さんです」
聞くところによると、尾野さんは''人の彼氏を横取りしようとしてくる人''らしい。
んー、でも、人苦手な人だしな……あの人。
そんなことはないと思うし、そもそも私のストーカーをしてくるぐらいだから取られる訳ない。
そんな慢心が、命取りなんだけど。
「それより、黒島沙和のこと教えてくれない？個人的に興味があるんだけど」
「よく興味持てますね」
「気になるよ。だって……連続殺人犯だし」
そう言って、私は笑みを浮かべた。
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作者名：アンドロメダ | 作成日時：2019年9月11日 20時
