恐怖 ページ30
最近、ポストに変な手紙が入っている。
私と豪さんが歩く写真、私の写真。
兎に角、私のプライベートに関する写真だ。
……またストーカー?
「……警察、警察に相談しよう」
……いや、でも。
警察に相談したら豪さんに何が起こるかわからない。
なら、どうすべき?
打つ手はない。
「いや……でも」
誰が送ったのだろう。
知らない人か、知っている人か。
もしかして、あの日私の腕を掴んだ二階堂くん?
でも、彼は違うはず。
怖い。
誰かもわからない恐怖、何をされるかわからない恐怖。
きっとこのストーカーは、私を手に入れたくてたまらない人間なんだろう。
気が付くと、私は豪さんの部屋のインターホンを押していた。
「A……一体?」
「ちょっと……怖いことがあって」
「できる限りでいいから、話してくれる?」
私は素直に、変な手紙が送り付けられていることを話した。
「そっか……警察には」
「ダメ。豪さんに何が起こるか……」
「俺は、Aに何が起こるかの方が1番怖い」
「でも……本山幹子さんもいるんですよ」
豪さんは私のことを何も言わず、ただ一緒にいてくれた。
この人となら、私は怖くない。
そう思った。
71人がお気に入り
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:アンドロメダ | 作成日時:2019年9月11日 20時