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第三十五話 ページ38
紅葉さんの為だって思ってた
でも違った
結局は自分の為だ
私が紅葉さんの悲しんだ顔を見たくなかった
笑って欲しかった
連れて戻ったら認めて貰えると思った
だけど大切なのは鏡花ちゃんの気持ち
それを忘れてたなんて
友達失格だね…
私に連れ戻す権利は無い
『私、間違ってました。一番大切な事を忘れてしまっていたんです』
「探偵社においでよ」
私の肩に手が触れる
何か
私の中で引っかかっていた何かが取れた気がした
***
‘あなたはだあれ’
“私の名は
__________太宰治だ”
頭が痛い
今までと比べ物にならない痛み
『触らないで‼‼‼‼』
行き先なんて考えずに走った
探偵社が見えなくなるところまで
河辺に座る
「はあ…はあ、はぁ」
走ったせいで余計に頭が痛い
あれは夢の続き？
紅葉さんの言っていた事が正しいなら
あれは私の記憶ということになる
けど、どうして今まで思い出せなかったの
何で忘れていたの
誰か答えを教えてよ
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作者名：凛霞 | 作成日時：2016年12月27日 0時
