第三十三話 ページ36
翌日______
武装探偵社まで向かった
勿論乗り込む為ではない
監視だ
この服装は馴れないな
バレないようにする為だというのは判るが
花柄のワンピース
エリスちゃんが選んだので断れなかった
喫茶うずまき
落ち着いた雰囲気でとても居心地が良い
カウンターの方から聞こえてくる声
太宰治という男だ
しばらく話を聞いていると…
「おお、素敵な人よ。私と心中していただけますか」
「お断りします」
飲んでいたお茶を吹き出しそうになり慌てて飲み込む
そのせいで噎せてしまった
「ごほっごほ、」
し、心中⁉
なんて事を言っているんだあの人は
隣の席からも聞いてはいけないような話が聞こえてくる
「あーん、お兄様」
「な、ナオミだめだよ、こんな処で」
「そんな事言ってると此処をこうして」
「ナオミ!」
武装探偵社恐るべし
これは監視
何度自分に言い聞かせたことか
「太宰!こんな処におったか!」
声がでかい
この人、ボートを運転していた人だ
「国木田くんどうしたの?」
「どうしたもない。仕事だ」
「私疲れているのだけど」
「貴様疲れるような事をしとらんではないか!」
「まあまあ、落ち着きなよ」
「落ち着いていられるか!」
「そんなに怒ると皺ができるよ」
「貴様ー!!!」
「いででで」
「また予定が遅れたではないか。俺一人で行ってくる」
「行ってらっしゃーい」
あの人苦労してるんだな
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作者名:凛霞 | 作成日時:2016年12月27日 0時