巡り会う妖と人の子９

第３８３話〜鬼太郎抹殺作戦〜 ページ11

鬼太郎「はっ！！」

そしてその勢いのまま、鬼太郎は片車輪を砕いた

『うぐあぁあぁあ！！！』

片車輪だったものの破片が残り火を灯しながら辺りに散らばる

その様子を後ろで見ていた朱の盆とぬらりひょん

朱の盆は片車輪の呆気なさに焦り出した

朱の盆「うわぁぁ…なんか簡単にやられちゃいましたよ！？」

ぬらりひょん達の傍らには、一台のバイクが置かれている

ぬら「慌てるな」

やがて鬼太郎に猫娘とAが追いついた

猫娘「やったね！」

鬼太郎「うん」

すると、片車輪の残り火がそのバイクのタイヤに移る

鬼太郎達が気がついた時にはバイクは片車輪の顔が付き、大きく燃えていた

三人「「「っ！？」」」

『へっへっへっへ…

ウ"〜ッ！バールバルバルバル！！』

鬼太郎「これは…！？」

目玉おやじが鬼太郎の頭の上から叫ぶ

目玉「いかん！奴は回るもんなら何にでも乗り移る妖怪じゃ！！」

『バ〜リバリバリバリィ！！』

片車輪は鬼太郎達に向かって走ってきた途端、Aを炎の手で攫ってシートに乗せた

A「いやぁぁっ！！」

鬼太郎、猫娘「「Aちゃん！！」」

『俺の走りは最高だぜ！！

さぁ、一緒に飛ばそうぜぇ！？』

片車輪はAにヘルメットを付けると、走り去ってしまう

鬼太郎「Aちゃぁぁん！！！」

〜〜〜〜

そして今に至る

『バ〜リバリバリバリィ！！

最っ高だぜぇぇ！！』

A「止まって！降ろして下さい！！」

『こんな飛ばせる道で止まれるかってんだよぉ！！』

Aの願いも虚しく、片車輪は更にスピードを上げた

『燃えてくるぜぇぇ！！！』

そして爆走する片車輪の後ろを、一反木綿に乗った猫娘と鬼太郎が追いかける

鬼太郎「待てぇ！片車輪！！」

A「鬼太郎さん！！」

必死にしがみついていたAは頭だけ振り返った

鬼太郎、猫娘「「Aちゃん！！」」

Aを助けようと、鬼太郎は手を伸ばす

だが…

『もっと回って回って回って回って回りまくるんだァァ！！！』

そんな叫びを上げながら片車輪はスピードを上げた

A「きゃあああっ！」

速すぎるスピードに一反木綿も追いつけなくなる

一反木綿「え、すごか速さばい」

鬼太郎「この先の急カーブで、減速した所で勝負だ！」

やがて片車輪は、鬼太郎の言ったカーブに差し掛かった

そこで僅かながらブレーキが掛けられる

『ヒャァッハァァァァァ！！！！』

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