巡り会う妖と人の子９

第４０７話〜妖怪コマ回し勝負！〜 ページ35

嬉しそうに腕を振るカズオに、微笑んで手を振り返す

鬼太郎「あぁ！」

すると目玉おやじが鬼太郎の顔を覗き込んできた

目玉「何の練習じゃ？」

ギクリと鬼太郎は頬を引き攣らせる

鬼太郎「え、いや、その…

コマ…そう、コマの練習ですよ…！」

納得したように腕を組んだ目玉おやじ

目玉「コマか、そりゃコマ(・・)ったのう」

寒いダジャレに、何とも言えない表情になる三人

三人「「「…」」」

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その夜

あの山であまめはぎは木の皮を一心に貪っていた

あまめ「(鬼太郎めぇ…！今に見てろよォ…！)」

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次の日の朝、(鬼太郎にとっては)朝早くからねずみ男が訪ねてくる

ねずみ男は床で眠っている鬼太郎だけをこっそり起こした

ねずみ男「鬼太郎！

…鬼太郎！」

のっそりと目を覚まし、入り口の簾を上げて顔を覗かせる鬼太郎

鬼太郎「なんだよ、朝っぱらから…」

眠そうな声を出す鬼太郎とは対照的に、ねずみ男は酷く焦っている様子だった

ねずみ男「鬼太郎、大変だぜ！！」

〜〜〜〜

先程とは打って変わり、鬼太郎とねずみ男は朝の山道を急いで駆け上がっている

鬼太郎「…なんだって！？あまめはぎがまた子供を！？」

ねずみ男「あぁ！しかもAちゃんもだよ！！」

鬼太郎「っ…！？」

Aの名前を聞き、自然と走るスピードが速くなる

そして昨日の広場に辿り着くと、待ち構えていたようにあまめはぎが立っていた

鬼太郎「あまめはぎ、子供とAちゃんを離せ！！」

だが焦った様子はなく、あまめはぎは余裕そうな口調で話し出す

あまめ「来たな、鬼太郎…！

見ろぉ！！」

あまめはぎは自慢そうに頭の上に生えているキノコを見せつけた

あまめ「これが木の皮を食いまくって育てた、自慢の巨大ゴマだ！！」

そこには、昨日には無かった傘のように大きいコマキノコが生えている

それを手で抜くと、再びコマ勝負を仕掛けた

あまめ「さぁ、コマ勝負ぅ！！」

だが、当の鬼太郎は豆鉄砲食らった鳩のように呆然と立ち尽くす

鬼太郎「…勝負？

ねずみ男！子供とAちゃんは…！？」

鬼太郎の後ろに立っていたねずみ男を振り返った

しかしねずみ男は、まるでしてやったりと言ったような笑みを浮かべている

ねずみ男「さぁ…？」

鬼太郎「っお前…！！」

笑みを崩さないまま、ねずみ男は鬼太郎にコマ勝負を促す

ねずみ男「まぁまぁ、また勝てばいいじゃないの！」

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