57話 ページ10
アオイ「あっ!リジアさん!待ってください!!」
ゼイユ「ピンクの奴まで!どこ行くつもりなの!?」
ボロボロの状態で逃げるリジアさんをカラミンゴが追いかける。自分も上手く動ける状態じゃないのに········
アオイ「どうして··········どうして逃げちゃうんですか·····?一体·······どうしちゃったんですか?」
私は今自分が置かれている状況が理解できず、頭の中はぐちゃぐちゃでよく分からなくなってきた。私達が来るまでの間、リジアさんの身に何が起きたのかも········リジアさんが置かれてる状況も·······私には何もかも分からない
ゼイユ「アオイ·····ちょっといい?」
ゼイユさんは何か言いたげな様子でパニくる私に恐る恐る声をかけてきた
アオイ「なんでしょうか·······?」
ゼイユ「あの·····お節介かもしれないけど、リジアの事で·······話したいことがあるの。ちょっと来てくれない?」
そこからは私は少し人気のない場所にゼイユさんとスグリくんと一緒に移動し、リジアさんの過去について聞かされた。リジアさんが昔、まだキタカミの里にいた頃の話、それは私が想像してたよりも残酷で孤独な内容だった
リジアside
なんで·······なんであいつが·····
僕はあいつと決別するって·····もう乗り越えたって思ってのに······実際はあいつを目の前にして、恐怖で動けなくなる、あの頃と変わらなず弱虫なまま
『僕····超だっせぇな········』
僕が自傷気味に呟いた時、僕のいる部屋の扉がスーッと開いた
マスカーニャ「ンニャ!」
『マスカーニャ·····戻ってきとったん?すまんな、でもホンマありがとう』
僕はマスカーニャが持っているカラミンゴの入ってるボールを受け取った
今の僕は何もかもが怖くなり、公民館の個室に立てこもっている。カラミンゴも俺のせいでボロボロになっているのに今の僕では回復させに行けず、マスカーニャに頼むという有り様
そんな自分に対して、怒りや悲しみが入り交じり、虚しいという感情が膨れ上がっていく
『もう嫌や······弱い僕も··········出来損ないの僕も··········全部·······全部が嫌や·······一体·····今の僕に······何が出来るんよ··········こんな·····無能な僕に···············』
考え方がどんどん卑屈になる方向に進んでいく。次第に自分は無価値だと思い込むようになり、一層塞ぎ込む
すぐそばにいたはずのマスカーニャの姿が消えていた事にも気付かぬ程、僕の心は深く沈んでいく
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作者名:ル二 | 作成日時:2024年2月17日 7時