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56話 ページ9

リジアさんの顔は誰かに殴られたような痕がいくつもあり、首にはすらっとした指の痕がくっきりとついていた


そして、リジアさんのカラミンゴも少し離れた場所でぐったりとした様子で倒れ、その周辺にはピンク色の羽が数枚散らばっている



アオイ「どうして·····もしかして、さっきすれ違ったあの人が··········」



先程この家から出てきた優しそうな女性·····初めて会って、素性もよく知らないのにあの人ならやりかねないと思えた


こちらに向けられた笑顔がどこか嘘くさく、闇を感じたのだ。まるで、笑顔を無理やり貼り付けたような不自然な笑い方に違和感を感じていたことに私は今更ながらに気がついた



アオイ「あの人のことは気になるけど·········今はリジアさんだ!」



私は先程の女性の事は一旦忘れて、リジアさんの安否を確認することにした



アオイ「リジアさん、大丈夫ですか?手を貸すのでとりあえず立ちましょ?」



うずくまるように地面に横たわったままのリジアさんを起こそうと、リジアさんの肩に手を置いた



『さ、触るな!!』



その瞬間、リジアさんはそんな事を叫びながら私の手を振り払った。私は突然の事に驚いてしまい、一瞬にして思考が停止した



アオイ「リジアさん、少し落ち着いてください。リジアさんの身に何があったか分からないですけど、もう酷いする人はここにはいないんです。だから、安心してください·····ね?」



私は何かに怯えたような様子のリジアさんに慎重に落ち着かせるように話しかける。しかし、リジアさんは更に怯え始め、ジリジリと逃げていく



スグリ「リジア?どうしちゃったの·········?」


ゼイユ「なんか······私達まで怖がってるみたい·····」


スグリ「そ、そんなぁ·····!どうしたらいいの··········?」


ゼイユ「そ、そんなの·····分かるわけないわよ!でも、とにかく落ち着かせなきゃ!」



ゼイユとスグリは怯えるリジアさんを落ち着かせようと、近づいた



『来るな!!こっちに········こっちに来るな!!!それ以上·····僕に··········僕に近づかんといてや!!』



リジアさんは私だけでなく、ゼイユさんとスグリくんをも拒絶した。体を小刻みに震わせ、目にはうっすらと涙をためている



アオイ「リジアさん!お願いですから、落ち着いてください!私ですよ、アオイです!分からないんですか?」


『ああ·······ああ···············ああ·····』



リジアさんは言葉にならない言葉を発しながら、逃げるように走り去って言ってしまった

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作者名:ル二 | 作成日時:2024年2月17日 7時

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