僕の全てをチグリジア Part２ (ページ8)

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５５話ページ8

アオイside

ゼイユ「ねえ？リジアの奴、戻ってくるの遅くすぎない？全く·····いつまで時間かかってる訳？」

スグリ「ねーちゃん、そういう言い方·········」

ゼイユ「何？また手ぇ出されたい訳？」

アオイ「ゼイユさん、ちょっと落ち着いてくださいよ！でも、確かに遅いですね··········リジアさん、大丈夫ですかね？」

リジアさんがカラミンゴを追いかけてから、数分過ぎた。もう戻ってきてもいいはずなのに一向にリジアさんは戻ってこない

それどころか··········

『来ないで··········！こっちに·····！来ないでくれや··········！』

リジアさんの悲鳴のような叫び声が聞こえ始めた

アオイ「この声ってリジアさんですよね·······！？もしかして、リジアさんに何かあったんじゃ··········！？私ちょっと様子見てきます！」

ゼイユ「ちょっと待ちなさいよ！ほらスグも！ぼさっとしてないで、さっさと来なさい！」

スグリ「え、えぇ··········！待ってよ！ねーちゃん！」

私はいてもたってもいられず、リジアさんの声が聞こえた方向に足を向かわせた。その私を追いかけるようにスグリくんとゼイユさんも同じように走り出す

時々聞こえてくるリジアさんの声を頼りに探していると、ひとつの民家の前で足を止めた。何でかは分かなかったけど、異様な雰囲気を感じ取ったのは間違いなかった

アオイ「もしかして·····リジアさん、ここにいるの··········？」

ゼイユ「え？ここ？」

スグリ「ここって俺達の家だよ？本当に·····ここにいるの？」

アオイ「それは分かんないけど··········」

ゼイユ「はぁあ！ここまで来といてわかんないって何よ！！」

スグリ「ね、ねーちゃん！！誰かこっちに来るよ！？」

スグリくんが慌てた様子で指す先にはニコニコと笑顔を浮かべる女性の姿があった

？？「あら？ゼイユちゃんにスグリくんよね？それに隣にいるのは新しいお友達かしら？」

アオイ「えっと··········あの·····」

？？「急にごめんね。それじゃ、またね」

女性は最後まで笑顔のまま、その場から立ち去っていく。その姿に私は何故かゾッとした

ゼイユ「待って·······あの人がここにいたってことは············まさか········」

スグリ「ねーちゃん？」

ゼイユさんは何故か顔を真っ青にさせている。最初はどうしてなのか分からなかったが、先程の女性が出てきた方を見て、少しだけ意味を理解した

アオイ「リジアさん！？一体·····一体何が··········！？」