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54話 ページ7

僕はアオイ達を公民館前に残し、1人でカラミンゴの後を追った


カラミンゴは自分が興味を持ったものにはなりふり構わず突進するもんやから、捕まえるのに少しだけ時間がかかってしもうたが、何とか捕まえることができた



『カラミンゴ、ようやく捕まえたわ。勝手にどっか行っちゃダメやって、いつも言っとるやろ?』



僕がそう叱るように言っても、カラミンゴ自身はよく分かってないのか、楽しかったとでも言いたげな笑顔をしとった



『にしても·····ここってゼイユとスグリの家やよね?そういや、昔はここでよう遊んだっけね、懐かしいな·····』



僕がそうやって感傷に浸っていると、突然玄関の扉が開いた



ヒエ「おや?もしかして、スグリかゼイユのお友達かい?だったら申し訳無いんだけど、あの子達は今、林間学校に参加しに公民館に行ってしまったんだよ」


『え·····あ、あの·········?』


ユキノシタ「ばあさんや、一体誰と喋っとるだ?」



僕がゼイユとスグリのおばあさん、ヒエさんの反応に困っていると、今度は2人のおじいさんである、ユキノシタさんが家の中から出てきた



ヒエ「あ、おじいさん·····実はゼイユとスグリにお客さんが来てくれたんだけど·········」


ユキノシタ「お客··········?」



一体誰がと言いたそうな顔でユキノシタさんは俺の顔を覗き込んだ



ヒエ「お、お主!?もしや、リジアくんか!?」


ヒエ「え!?リジアくん!?··········あら、やだ!ほんとじゃない!こっちに帰ってきてたのね!」


『え··········あ、お久しぶりです·····まだ僕の事覚えとってくれてたんですね』


ヒエ「もちろん覚えているわよ!だってリジアくんはゼイユちゃんとスグリちゃんの1番のお友達だったじゃない!

ねえ?おじいさん?」


ユキノシタ「おお、そうじゃったな。あの頃はいつも一緒に遅くまで遊んでたなぁ」


ヒエ「懐かしいですねぇ。あの時はこんなに小さかったのに今はこんなに立派に大きく育って、マヨさんも喜びますよ」



マヨ········その名前を聞いて俺は一瞬にしてサァーと血の気が引き、肝をは潰された



??「ヒエさん、私この後用事がありますので、そろそろお暇しますね」



穏やかで柔らかい声が聞こえ、どんどん吐き気を催した。そして、声の正体が姿を現し、目と目が合ったその瞬間、僕は凍りついたように動けなくなってしもうた


逃げなあかんのは分かっとるのに体は言うことを聞かへん。そうしてるうちに奴はジリジリと僕に近づいた

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作者名:ル二 | 作成日時:2024年2月17日 7時

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