88話 ページ41
アオイ「リジアさん······スグリくん·····大丈夫でしょうか?」
アオイは心配そうにそう聞いてくる。でも僕は何と答えれば良いか分からず、ただただ首を横に振り、看板へと足を進めた
___黄昏時、村の外で向こうから歩いてくる影があったなら、気をつけよ
___すぐさまお面を被って自らの
___さすれば、影が人であれ、鬼であれ、お面同士会釈して通り過ぎるのみ
___もしお面を持たざる時あれば、影が人であることを願いなされ
___その影、人であればよし、二度とお面忘れるべからず
___その影が鬼であれば最後、真の
スグリ「当時、みんなお面持ってて、それ全部作ったの··········俺のじーちゃんのじーちゃんのずーっとじーちゃんなんだって」
アオイ「凄い!それって本当の話なの?」
スグリ「もちろん、鬼様が魂抜くとかは嘘だと思うけど、うちがお面さ作ってたのは本当
俺ん家··········代々お面職人の家系なんだって。じーちゃんもお面作れんだ
オモテ祭りも俺の祖先がやろうって言い出したんだと··········俺、ここの看板に書かれてること、好きじゃない。鬼さまが怖いからって、必要以上に怖がって、村の外に追いやって···············
鬼さまだって寂しかったはずだ··········ひとりだけ··········除け者にされたから」
アオイ「····················」
『···················』
スグリの鬼さまを思っての言葉一つ一つが僕の心に痛いほど刺さり、心苦しいかった。純粋に鬼さま__オーガポンが好きなスグリを騙しているのだから
スグリ「写真さ撮ろっか」
アオイ「う、うん···············」
パシャ
スグリ「これで課題はお終いだ。俺、ポケモンっ子さ、もっと強くすっから··········帰るね」
そう言うとスグリはそそくさとどこかに行ってしもうた
アオイ「リジアさん·······私·····ちょっと思うことがあるんです······もしかしたら、スグリくんは私達がなにか隠してることに気づいてるんじゃないかって··········」
『··········多分そうやろうね·····本音を言うと、僕はもうスグリにこれ以上隠し事はしたくないねん········でも、今打ち明けたとしても、スグリを傷つけるだけ·····
僕はもう··········』
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作者名:ル二 | 作成日時:2024年2月17日 7時