僕の全てをチグリジア Part２ (ページ15)

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６２話ページ15

ユニア兄「なぁ、アンタら····俺の弟に何してくれとるん？」

クラスメイト(2)「あ？なんだお前？」

クラスメイト(1)「誰だか知んねぇけど、俺達の会話に入って来てんじゃねぇよ！」

ユニア兄「そういう訳にもいかんのよ·····だって、アンタら2人は俺の弟を傷つけた······やから、俺は絶対お前ら許さへんから」

僕は兄さんがこんなにも怒りを顕にしてる姿を見たのは生まれて初めてだった。そんな兄さんを見たいじめっ子2人は恐れをなしてどこかに逃げ去った

僕はいじめっ子の1人に投げ飛ばされたチコリータを追いかけて真正面から受け止める。しかし、衝撃が強すぎて体がよろけてしまい、僕の体は道路へ大きく飛び出してしもうた

ユニア兄「リジア！！」

僕を呼ぶ兄さんの声が聞こえた瞬間、目の前がライトの光でいっぱいになり、気づくと僕は病院のベットに横になっとった

目を覚ますと、ベットの横に目に涙をいっぱいに貯めたチコリータとオロオロしている小さなポケモンだけで兄さんの姿はどこにもなかった

『チコリータ、兄ちゃんは？』

僕がそう聞いても、チコリータは首をフルフルと揺らすだけやった。チコリータの隣にいたちっこい奴も落ち込んだ様に目線を落とすだけ

幼いながらに2匹の態度を見て嫌な予感がした。すると、別の部屋から悲鳴のような声が聞こえ、僕は慌ててその部屋と向かった

その部屋では母さんが泣き叫びながら、ベットにしがみついていた。そして、そのベットには顔を白布で隠された状態で横たわる人が·····

顔も見えていないのに横たわる人物が兄さんだって絶対的な確信が持てた

『兄ちゃん·····？』

僕は気づけば、そんなことを口にした。震える足を何とか抑え、少しずつ前へと進ませ、ベットに近づく。すると、母さんが僕をキッと睨みつけ、こう叫んだ

母「近づかないで!!!なんで·····なんであんたが生きて!!なんでユニアが死ななきゃいけないのよ!!あんたなんか····あんたなんかいなきゃよかったのよ!!あんたが代わりに死ねばよかったのに!!!

返してよ!!私の大事なユニアを返してよ!!!」

母さんが放つ言葉は幼い僕の心をいとも簡単に傷つけた。今まで何度も強い言葉をぶつけられた事もあったし、何度も心が折れそうになったこともある。それでも、今回のは今までとは違う確かな拒絶に僕の頭は一瞬にして真っ白になった

その後の記憶は断片的にしか残ってなくて、いつの間にか葬式が終わって、いつの間にか時間が過ぎていた