僕の全てをチグリジア Part２ (ページ14)

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６１話ページ14

『まずなんやけど、僕が育ったんはキタカミの里やって、アオイは知っとるよな？』

アオイ「はい」

『でもな、キタカミは僕が育っ場所であって、生まれた場所やないんよ』

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僕が生まれた場所·····ジョウト地方。そこが俺の不遇人生の全ての始まりやった

あの頃はスクールに行けばクラスメイトから虐められ、家に帰れば母さんから怒鳴られる毎日。そんな僕にも唯一楽しみなことがある

それは······

ユニア兄「リジアー！はよせんと、置いてくで！」

チコリータ《チコ！チコー！》

『ま、待ってやー！』

兄さんとたまごから生まれたチコリータと一緒に近くの公園で遊ぶ事。公園って言っても、遊具が何個かあるだけの小さな公園やけど、兄さんと遊べるだけで満足やった

ユニア兄「いやぁー、結構遊んだなぁ！リジア、大丈夫か？疲れとらん？」

『ううん、疲れとらん。でも、喉乾いたわ』

ユニア兄「リジア、汗いっぱいかいとるもんな。それに今日は暑いし·····よし！兄ちゃんが自販機で飲みもん買ってきたるわ！」

『ええの？』

ユニア兄「そんぐらい構わへんよ。そんじゃ買っとくるから、ここで待っとるんよ」

『わ、わかった！』

チコリータ《チコ！》

ユニア兄「ハハッ！チコリータ、お前も待っとれな」

兄さんを待っている間、僕は近くのベンチに座った。僕の足元でクルクルと動き回るチコリータを見ながら、戻ってくるのを待っていると、僕の歪みかがった人生を完全に狂わせる出来事が起こった

クラスメイト(1)「お？落ちこぼれのリジアじゃん」

『な、何？急に·····』

クラスメイト(2)「何その態度？お前、俺らにそんな態度でいいと思ってんの？」

クラスメイト(1)「てか、こいつポケモン持ってんじゃん！」

クラスメイト(2)「ほんとだ！落ちこぼれのくせに生意気だな！俺らが貰っていってやるよ！」

クラスメイト(1)「こいつはしっかり俺らが有効活用してやるから、安心しな！」

『やめてよ！返して！』

僕はチコリータが奪われそうになって取り返そうとするも、体格差で逆に押し返され、体が後ろに大きく傾いた。そのまま倒れそうになったところを誰かが支えてくれた

『に、兄ちゃん！』

兄さんは僕といじめっ子2人の間に入ってくれた。でも、普段の穏やかな雰囲気の兄さんとは、少し違う気がした。それに僕を支えている腕とは反対の腕で見たことの無いポケモンが顔を覗かせている

ユニア兄「なあ、アンタら＿＿＿」