僕の全てをチグリジア Part２ (ページ12)

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５９話ページ12

リジアside

『駄目やな·····1人やと悪い考えしか出てこん。ちょっと気晴らしに外に出るか·········』

でも、また外に出てあいつに会ったらな·····

そんなことを考えながら、ずっと俯いていた頭を上げた。その時になって、僕は初めてあることに気がついた

『あれ？マスカーニャ？どこ行ったん？』

さっきまでマスカーニャがいた場所を見ても、そこにマスカーニャの姿がない。それどころか、閉めたはずの部屋の扉が少し開いている

『もしかして、外出てったん？』

僕は気になって外の様子を見ようと、ドアノブに手をかけた。もしかしたら、こんな俺に愛想つかして何処かに行ってしまったんやないかと·····少し不安だった

でも、どうやらそうでは無いらしい

『マスカーニャ！？それにアオイも！！どうしてここに··········』

マスカーニャ《ニャー··········》

突然の事に驚く僕の手をマスカーニャは優しく手に取った。そして、不安そうな目で僕を見つめながら、アオイの方へ軽く引っ張る

『もしかして··········僕のために連れてきたん？』

僕がそう聞くと、マスカーニャはゆっくりと頷いた

『そっか·····ありがとうな、心配してくれて········ここじゃなんやし、とりあえず中入り』

僕は仕方なくアオイを部屋にあげた

未だにアオイの顔を見る度に恐怖心が芽生えるけど、アオイは僕を心配してくれてるんだと、必死に自分に言い聞かせた

アオイ「リジアさん·····突然押しかけてすみません。でも·······私はリジアさんを少しでも助けたいんです。だから、話を聞かせてください」

僕を真っ直ぐ見つめるアオイの顔があの人とまた重なった

アオイ「リジアさん··········？」

『あ·····ごめん··········』

アオイ「もしかして、やっぱり似てるんですか？リジアさんにとっての唯一の救いだった人に··········」

アオイの呟いたその言葉に僕は大きなショックを受けた。なんでその事を知っているのだと·····怖くなった

『なんで·········その事···············』

アオイ「リジアさんが去っていった後、ゼイユさんから聞きました。詳しい事は聞いていませんが、リジアさんにとって大切な人いたって聞きました

そして·····その大切な人が私と重なってるんじゃないかってことも········」

『ゼイユ······そっか·····ゼイユが···············』

あれ？ゼイユにもその事話したことあったっけ？

やばい、焦りからか何も思い出せない········