羅の血は争えない【薬屋のひとりごと】 (ページ3)

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３話　あまのじゃくページ3

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「…おはようございます、文明(ウェンミン)様。お誕生日おめでとうございます。」

「ああ、おはようA。今日は早起きだな。」

文明は縁側に腰を掛け、右手で石を二、三弄びながら笑っている。
右足にぶつかった小石を見てから文明様に一礼しその場を去ろうとすると、今度は背中に石が当たった。

「構えよ」

ふてくされた顔でそういう文明には、いつも外で見せる爽やかさは微塵もない。
めんどくさいのに遭遇したと心の中で悪態をつきながら溜息を吐くと、文明様の眉毛がぴくりと動いた。

「へえ、おれにそんな態度とっていいのか」

「べつに辞めさせられても構いませんよ」

辞めさせられたら雇ってくれるところを探しに行けばいいだけだ。ここに攫われて以後"おつかい"などでできた人脈を頼れば食いっぱぐれることはないだろう。そこだけは周女士に感謝せねばならないと思っている。

「……そんなこと言うな」

なんて心の中で考えていると、先ほどとは打って変わって文明は悲しげな顔をした。そんな文明にAはやれやれと首をすくめたくなる。これだから思春期の男子は…と思いながら、文明がいる縁側へ足を進めた。

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