転校生 ＝ 気になる子【 宮治 】

第45話 ページ47

A「......お前はどんだけしんどいか知らないからそんなこと言えんでしょ」


真莉「...」


瑠衣｢Aちゃん...｣


A「私は...努力して努力して、自分の力で高く自由に飛んでたはずなのに...それなのに...。お父さんの娘だから仕方ないで済まそうとしないでよ！｣


ひゅっ！


真莉「っ！」


ぱしっ！


A「！」


治「ストップ」


A「治、くん...」


治「...」


すっ


治「...こんな泣きそうな顔なるまで話さんでええし、聞かんでええのに」


A「...ご、ごめ、」


治「Aちゃん、俺言うたよな」


A「...」


治「Aちゃんがバレー上手いんは、バレー強いんはAちゃんの力や。俺は、娘だからとか思わん、Aちゃんの努力の賜物やなって思うよ」


侑「...」


真莉「...綺麗事だよそんなの。お父さんのこと知ったらそんなこと思わなくなる」


治「そー言われんのはしゃーないかもしれんな。でも、俺はそーいうの嫌いや。それと、俺は事情知っとるけどそんなん思わんわ」


真莉「...」


瑠衣「Aちゃん！」


A「...」ぽろぽろ


治「なっ！なんで泣いとるん！！俺、地雷踏んだか？！」


A「ちがっ...けど、わ、かんない...」


治「......次、試合いつ」


角名「まだまだだから大丈夫だよ」


瑠衣「女子もまだ」


治「...ちょっと抜けるわ」


角名「おっけ」


瑠衣「ん。Aちゃん頼んだで」


A「...」ぽろぽろ


治「...Aちゃん」


A「...」


治「俺と気分転換しに行かん？」 すっ


A「...」こくっ


ギュッ


治「...ほんならまた後で」ひらひら


すたすた


侑「...いくらなんでも言い過ぎちゃうか」


真莉「あれくらい普通だし」


侑「泣いとった」


真莉「......私の言葉で泣いたんじゃないよあれは」



――――――――――――――――――――



A「ぐすっ......どこ行くの」


治「一旦教室」


すたすた


治「......ちょっと待っとって」


A「...」こくっ



治くんに、みんなに迷惑かけてしまった...。
あんなとこで泣くなんてみっともない。
ほんと自分が嫌になる。



A「...」


治「...はいこれ」


A「タオル...」


治「貸したるからこれで拭いてええよ」


A「...でも...治くんの」


治「なんも気にせんでええから。な？」


A「......ありがと」


治「......屋上にでも行こか」


A「...うん」

第46話→←第44話

→ 目次へ｜作品を作る｜感想を書く
他の作品を探す