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第46話 ページ48

治「やっぱり屋上は誰もおらんな」


A「...」


治「...Aちゃん、泣き止んだ?」


A「...」ぽろぽろ


治「まだ泣いとるん」苦笑


A「ごめん...」


治「なんも悪ないから謝らんで」


なでなで


A「...」


治「ほれ、俺のタオルで拭いた拭いた」


ぽんぽん


A「(治くんこんなに心配してくれてるんだもん...話すべき、だよね.....)」


治「...」


A「......あれほんとなんだ」


治「...」


A「私はお父さんに“試合はどんな試合でも必ず勝て”ってインプットされてる。娘だからって言われるのもそりゃ仕方ないよね」


治「もーさっきも言うたやん。Aちゃんの力なんやって」


A「...バレーは好きだったんだよ、今ももちろん好き。私はね、自分の手が大っ嫌いだった」


治「...」


A「この手が、腕があるからいけないんだってずっと思ってた。トスもスパイクも何もかもが私のこの手を使うわけだし」


治「...おん」


A「でもね、中学の後輩が」



『Aさんの手は、なんでも出来るとにかくすげぇ手です。Aさんが嫌いでも俺は好きっす』



A「って言ってくれて少し好きになれた。私の手は誰かの...あいつだけだったとしても...助けになってるんだって思ったら楽になった」


治「...」


A「でも、やっぱり自分の手は嫌いだ。真莉のこと叩きそうになったし。治くんが止めてくれなかったら叩いてた」


治「......」


A「......ごめんね、こんな話して」


ギュッ


A「!」


治「俺も、Aちゃんの手好きや」


A「えっ...」


治「ほんま綺麗な手やし、ちっこくてかわええ」


A「あ、あの」


治「Aちゃんの手は魔法の手や。いろんなもん生み出せるやろ?」


A「そんな大袈裟な...」


治「大袈裟なんかやない」


A「...」


治「大好きや」


A「っ...」



落ち着いて、私。
治くんは私の手が好きって言ってるんだ。
私のことがじゃなくて私の手なんだから...なのになんでこんなに...。



A「(ドキドキするの...)」


治「...ははっw Aちゃん顔真っ赤」


A「...恥ずかしい」


治「照れてるんかわええなあ」


A「うぅ...」


治「...」


すっ


A「...」


治「...泣き止んでよかったわ。泣いてるの見たときほんま焦った」


A「ほんとごめんね...」


治「ええんよ、大丈夫やから」

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莉智(プロフ) - 興馬さん» ありがとうございます! (2020年9月22日 22時) (レス) id: a60286b6c0 (このIDを非表示/違反報告)
興馬(プロフ) - 莉智さん» いぇいぇ、更新大変だと思いますが、頑張ってください (2020年9月22日 21時) (レス) id: 9040efc7f3 (このIDを非表示/違反報告)
莉智(プロフ) - 興馬さん» 大変申し訳ありませんでした。見つけ次第修正致します。ご指摘ありがとうございました。 (2020年9月22日 13時) (レス) id: a60286b6c0 (このIDを非表示/違反報告)
興馬(プロフ) - あ…あの、ちょくちょく由利と名前が出てきてたのですが (2020年9月22日 10時) (レス) id: 9040efc7f3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:莉智 | 作成日時:2020年8月17日 22時

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