【呪術廻戦】霆と呪いのハムレット【夏油傑】

第21話 巻き込まれた弟 ページ23

車で市内へ入り十五分頃



「今回の任務は“神隠し”が頻繁に起こっている小学校です」

「小学校？」

「最近よくあるわよね」


任務の詳細を軽く聴きながら外の景色を目を向ける。


「えぇ、その小学校では度々子供が消えるそうです」

「被害は？」

「今の所、小学生五人が行方不明となっています」

「五人…」

「無事かどうかは五分五分でしょう」

「今回はハードな任務になりそうだね」

「どこがだよ。ガキなんて皆死んでんだろ」

「そうとは限らないだろ」

「いーや！死んでるね」

「狭い車内で喧嘩しないで」


車が止まり小学校の資料を渡された。
子供達が消えたのは今日の午前。
中休みの事だったらしい。


「これが小学校の資料です」

「…は？」


思わず低い声が出た。隣に座る夏油はどうかしたのか？と心配げに私の顔を覗き込む。
この消えた子供の中に…弟が居る。


「A？」

「弟がいる…」

「弟ォ？視えるんだろ？」

「視えない子なの、この子は」


小学一年生の真琴の顔写真
この子だけは弟の中でも視えない子で何時か視える様になると息巻いていた、五条に似ている節がある。


「何とか逃げきれていればいいんだけれど…」


手渡された資料をグシャリと握り潰した。


「大丈夫だよ。私達が行くんだ」

「そう、ね」


気を利かせて夏油が何かを話してくれていた気もするけれど何も耳には入って来ず、ひたすら弟の顔を思い浮かべていた。

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