第9話 溝と鳴神 ページ11
私の家──正確には父の本家 鳴神家
八千草家の母と鳴神家の父が婚姻を結んだ
父の家に嫁入りした母は正確には側妻
側妻に当たりが強い鳴神家では中々大変な生活だっただろう
そんな中で産まれた私は鳴神家の相伝の術式を保持していた
まぁ、これは対した事じゃ無いので割愛させてもらうが、ぶっちゃけると鳴神家と五条家は仲が悪い。物凄く。
鳴神家の呪術界での立ち位置は高位な位置にある。御三家に次ぐ優秀な呪術師の輩出率を誇るのと相伝の術式の強さ、呪術界への貢献度、長い歴史の中で絶えず繁栄されてきた古い歴史を持つ等々
それでも尚御三家と同等の位に立てないのは『五条悟』の誕生が大きい。とは言っても前々から仲は悪かったし鳴神家では御三家に食い込むなど実力が伴っていない為到底不可能だったのだがそれを現実視しない憐れな父は呪霊や呪詛師を嗾け『五条悟』の暗殺を目論んでいた。
そんな事をしても由緒正しい御三家にはなれやしないのに。
まぁ、当然『五条悟』が死ぬ訳も無く全部失敗し現在へと繋がり、フラストレーションが溜まる生活を送らされた原因の一つである我が家を恨むのは当然で私を嫌うのも無理は無いのだ。
何なら言うと上層部が鳴神家の当主である父を罰しないのはそこそこに力のある家だから。キナ臭い上層部である。
「気分削がれた、傑行こうぜ」
「あ、あぁ。A済まない。気にしなくていいから」
「気にしてないよ」
五条に何時か殺されても文句は言えないし受け入れるつもりだ。彼にはそれをする資格がある。
「言いたいこと言われてやんの」
「そう?言いたいやつには言わせとけばいいのよ」
「Aのそういうとこ好きだよ私」
「ありがとう硝子」
同性である硝子は凄くやりやすい
彼女が特別なだけかもしれないが話やすいし言いたくないことは根掘り葉掘り聞いてこない。録に人と関わってこなかった私には持ってこいの人物だった。
「そういや明日夏油と任務じゃなかった?」
「ん、そうだよ」
「面倒くさそうな顔」
「…夏油の呪霊祓いそう」
「がんば」
どうでもいいですと言いたげな硝子の応援に静かに苦笑した。
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卯月@スイ(プロフ) - ナッツさん» コメントありがとうございます!!がんばりますね! (2021年1月20日 7時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - ニヤニヤしながら見てしまいました(^^)更新楽しみにしていますっ! (2021年1月19日 22時) (レス) id: 528660073f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2021年1月14日 15時