第10話 合同任務 ページ12
「今日はよろしく」
「よろしく」
軽い挨拶を済ませ補助監督の車に乗り込む。
手渡された書類に目を通す夏油を横目に私は車の外を眺めていた。車内には補助監督の説明の声とそれに頷く夏油の声。
「?具合でも悪いのかい?」
話に参加して来ない私を心配してか夏油は隣に座る私の顔を覗き込む。
「平気よ。初日以来の人との合同任務だから少し気が立ってるのかも」
「ああ、Aは基本単独が多かったね」
「うん、その方が楽でいいから」
「…」
「なに?」
「いや、何でもないよ」
「そっか」
何でもないと言いつつも私をジッと見つめ続ける夏油に居心地の悪さを感じつつ、その視線から逃げられることは出来ないため諦めて瞳を閉じた。
今回の任務は廃病院。最初の任務でもそうだったが例の如く、廃病院には色々な負の感情が集まりやすく呪霊が産まれてしまった、らしい。私達は予備の人員として派遣が命じられていたが昨日向かった呪術師が死んだらしく私達が赴く事になった。
「あぁ、丁度良かった。もうすぐ着くよ」
別に寝ていた訳では無いが目を閉じていた為勘違いされたのだろう。それは構わないのだが頭を撫でているのは何故だろう。
「手、離して」
「あぁ、ごめんね」
「別にいいけど」
ジッと夏油を見ているとパッと手を離した彼は何時もの胡散臭い笑顔で笑った。
139人がお気に入り
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
卯月@スイ(プロフ) - ナッツさん» コメントありがとうございます!!がんばりますね! (2021年1月20日 7時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
ナッツ(プロフ) - ニヤニヤしながら見てしまいました(^^)更新楽しみにしていますっ! (2021年1月19日 22時) (レス) id: 528660073f (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2021年1月14日 15時