彼女との出会いは異質だった ページ30
ふぁ
ひとつ欠伸をする
チュンチュンと空で雀が鳴いている
空を羽ばたく彼らはとても気持ちが良さそうだ
裏庭のベンチに寝転がった俺は空を見上げている
いつもワイシャツ代わりに着ているパーカーのフードが少し首を締め付ける
ゴソゴソと動けば緩和された
Aは大丈夫だろうか
彼奴は初めて会った時、絶望していた
俺と蒼生さんは所謂昔馴染みと言うやつで(元々喧嘩っぱやい俺が消防士である蒼生さんに止められてただけなんだが)絡む事が多かった
玲『蒼生さん、またあの子いるよ』
いつも夜の公園のベンチに座り込んでいる女の子
真っ黒な黒髪に何も映さない鈍い銀色の瞳
キズだらけの身体
一言で言えば異質だった
蒼『声掛けてみるか…』
蒼生さんは兄貴肌だ
何でもかんでも拾ってしまう
蒼『おーい、そこの中学生ここで何してんだ？』
近付くと僅かに歌を口ずさんでいた
『…え』
ピタと止め怪訝そうな目でこちらを見上げた女の子
綺麗な顔立ちだと思った
玲『親は？見たところ中学生二年生？』
『…はい』
玲『そ、俺は高一の前入 玲於
よろしく』
蒼『俺は蕪木蒼生、消防士なんだよ』
『あ、えと…山田Aです』
辿々しいと言うのが第一印象
蒼『その傷は？どうしたんだ？』
『学校の人達にやられました』
ポロポロと話す言葉の数々
俺には想像もつかなかった
親が居ないのは一緒だが俺には蒼生さんがいるから
戦時中に両親を失った俺はスレた
まぁ、荒れくれた日々を送ってたものだ
そんな俺を蒼生さんは拾った
あの人にとっては野良猫みたいなモンだったに違いない
閑話休題
でもこの子には兄妹がいる
しかも3人も
なのになんで大事にしてやれないんだ
ああ、いや、この子が隠すのが上手なだけか
蒼『ふーん、そうか辛かったな』
蒼『じゃあ、先ずは俺たちと一緒にバンド組まねぇ？』
玲『いや、何言ってんの』
本気で思った
何言ってんだこいつって
蒼『Aの歌俺すっごい気に入ったんだよなぁ〜ダメか？』
玲『いや、俺も思ったけど』
綺麗な歌声
どこまでも届きそうな声をしている
それは思ったけど…明らか不審者だろ……
『へんなひとですね』
何となく笑ったAは嬉しそうだった
それから暫く俺達は度々公園で話すようになった
『へぇ、そうなんだ』
玲『まぁ、どこの家も同じだろうし
俺の場合はホッとしてる』
『…？』
.
あの言葉はきっと彼女が言って欲しかった言葉だ→←今度こそ…！！
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卯月@スイ(プロフ) - 羅霧さん» 前に書いた作品なのにコメントを頂き嬉しいです！ありがとうございます！お楽しみ頂けて何よりです！ (2020年12月21日 20時) (
レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
羅霧 - 凄く感動しました！ これからも応援してます！ (2020年12月21日 17時) (レス) id: 9b4203012a (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 蒔涙さん» ありがとうございます！これからもよろしくお願いします！ (2020年9月25日 16時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
蒔涙(プロフ) - 最ッ高でした。。。。イッキ読みしちゃいました。これからも応援してます＞＜ (2020年9月25日 4時) (レス) id: 47c6d7b6cf (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 癒し系猫さん» 歌詞は本っ当に悩んだ部分なのでありがたいです！！！ありがとうございます！ (2020年9月24日 18時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：卯月@スイ | 作者ホームページ：http://weareasas
作成日時：2019年11月13日 20時
