彼女の幸せを俺は願っている ページ28
二「…」
二郎は黙って俺の話を聞いていた
静か過ぎて周りの声が五月蝿いくらいだ
俺とAの出会いを聞いた二郎は静かに目を伏せた
俺の話は殆ど入ってこなかったのだろう
話の途中で言ったAの怪我についてが一番気になっている筈だ
二「あの傷はずっとあるのか…?」
タレ目が泣きそうになりながら俺を見る
黒「あるよ
知ってると思うけど、Aはキミたちと似てないからって理不尽な理由で小学の頃からずっと、俺達にとっては想像を絶する程の痛みを抱えてる」
二「なんでッ」
黒「なんで言ってくれなかったのかって思ってる?
Aは言ってたよ
「助けを求めてもきっと誰も助けてくれない」って
俺はずっとアンタらに助けを求めてた様に思うけど」
Aは悲観しすぎだよ
俺にはカゾクなんてものは分からないけど助けを求めたら絶対に助けてくれる人だと分かる
でも、仕方ないのかもしれない
Aがそれを出来ないのは周りがその可能性を潰したから
黒「俺はね、Aが幸せならなんでもいいんだ
あの時はAを助けられなかった
だから今度こそ助ける
今のAは苦しそうだ
悲しそうだ
表情が曇ってる
あの可愛い笑顔に翳りがある
そんなのは嫌だからお前にこの話をした
ホントはお前なんてダイキライだ」
黒「Aを助けたいならちゃんと救ってあげて」
それが俺の願いだから
二「分かった
Aを支えてくれたありがとな」
その目は正しく妹を想う兄の目だった
黒「Aの居場所は教えない
オニイチャンなら自分で探して」
自分の目でAを見つけて
屋上から勢い良く出て行った二郎の背中を見て言った
きっとこれでいい
これでAは幸せになれる
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卯月@スイ(プロフ) - 羅霧さん» 前に書いた作品なのにコメントを頂き嬉しいです!ありがとうございます!お楽しみ頂けて何よりです! (2020年12月21日 20時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
羅霧 - 凄く感動しました! これからも応援してます! (2020年12月21日 17時) (レス) id: 9b4203012a (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 蒔涙さん» ありがとうございます!これからもよろしくお願いします! (2020年9月25日 16時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
蒔涙(プロフ) - 最ッ高でした。。。。イッキ読みしちゃいました。これからも応援してます>< (2020年9月25日 4時) (レス) id: 47c6d7b6cf (このIDを非表示/違反報告)
卯月@スイ(プロフ) - 癒し系猫さん» 歌詞は本っ当に悩んだ部分なのでありがたいです!!!ありがとうございます! (2020年9月24日 18時) (レス) id: 6ffd6a43ea (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:卯月@スイ | 作者ホームページ:http://weareasas
作成日時:2019年11月13日 20時