【ヒプマイ】3年前、俺の前から消えた女【碧棺左馬刻】

石積み遊び ページ39

私達の下では何も知らない双子達がせっせと石を拾い集めている


「寂雷先生の頼みで時々一二三さんに接触しているんですけど…」


独「逃げました？」


「いいえ、ゆっくりですが話せるようになりましたよ」


神宮寺寂雷先生は麻天狼のリーダーで独歩さんと一二三さんはそのメンバーだ
寂雷先生と私は以前、恋牙の体調が崩れた時に行った病院の先生でその後にも交流が続いている

ついでに、双子の父親も知っている数少ない人である


私は双子が左馬刻の子だと左馬刻に言わない条件でちょくちょくお手伝いをしている
いつもは入院した子供達と遊んだりしているのだが是非と頼まれたのが一二三さんの女性恐怖症の克服だ


曰く、優しく母親でもあるから一二三くんも慣れるだろうと



独「それだけでも成長ですよ…それに、Aさんは優しいから…」



私自身何をしていいのかサッパリなので一二三さんに会い一緒にお茶をするようになった初めは顔面真っ青にしていたのだが最近はたどたどしくだが私となら話せるようになった




「優しくはないですよ？普通です」



恋「母さん見てー」


蝶「見て見てー」


積み石をしていたらしい


「あら、凄いわね上手よ」


双子達が辺りを跳ねるとそれはバラバラと崩れた


恋「あ」


「ふふっ、また立てればいいじゃない」



項垂れる恋牙の頭を撫でるとシャキッと背を伸ばし蝶羽にもう一度やろうと誘った



蝶「飽きた」



恋「やろうぜーなぁーなぁー」


蝶「ウザイ」


顔を押しのけ、蝶羽は独歩さんの元へ


恋「ちぇっ」


恋牙は一人で石をのせ始めた




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