どうやら異世界転生したそうですよ。【wrwrd】 (ページ10)

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ut said.

ut「……は？」

この女……ッ！！！！

『やめろ』

部屋に響き渡る声に体が強ばる。
放送で流れた聞き馴染みのある声は僕を現実へと引き戻した。
冷静になった頭で女を見ると先程まで睨みつけていた瞳は閉じ、床にうなだれていた。

恐らく極度の疲労での気絶であろう。

拳を収め胸ポケットにあるタバコに手をかける。

精神安定剤に火をつけた辺りでパタパタという足音が廊下から聞こえ始め次の瞬間扉が勢いよく開かれた。

ut「そない焦らんでも殺してないよ
てか、女やからてちょっと情が移りすぎちゃうか？

ロボロ」

rb「うっさいねん
お前今殴り殺そうとしたやろ。そいつはまがいなりにも捕虜やぞ。大先生……総統の命に背くんか？」

何が気に食わないのか理解できない。
ロボロ……こいつはすぐ人に情けをかける。

ut「何もしてへんやん？
てか、ロボロお前そんなんで幹部が務まるんか。
いくら女といえど身分も素性も国籍も分からん女やぞ。

大体僕は捕虜にする意味もわからん

突然中庭に現れて、どこかの国の差し金ていう可能性が高い中殺さん理由がどこにあるん」

ロボロは疲弊しきった顔で女を抱き上げ牢屋にある簡易ベットにそいつを置いた。

その動作にイライラした。
女なんて皆同じやろ。
肩持つ意味が分からんねん。

rb「尋問の件俺がやっとくから大先生はちょい頭冷やしてこい。」

ut「なに？僕が冷静でないとでも言いたいん？」

rb「ええから！グルッぺンには俺から言うとくから」

いつもでかい声だが反響するせいかもっと大きく聞こえる。

なんや少し顔が可愛いだけでこれか。
目ェ覚ませや。

この前騙されたばっかやろがお前。

イライラしてこのままじゃロボロにまで手をかけそうになった俺は大人しく身を引き、自室へと足を運んだ。

タバコの火を壁で消す。
跡がつくからあまりやるなとこの前怒られたばかりなのに。

長い廊下を歩く最中、前から見知った顔がスキップしながらえらく上機嫌で歩いてくるではないか。

ぐるぐるメガネがトレードマークの後輩チーノ

ci「兄さんずいぶんイライラしてはるんですね！
もしかして…まだこの前の女の件気にしてはりますん？」

ニタニタしたこいつは確信をつく。
機嫌が悪い俺は素通りを決め込もうと思ったがそれも許されない。チーノに腕を捕まれ引き戻される。