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「わたしは、」
ここから先の言葉が出てこない。
というより声が出ない、どうしよう。
下手な言葉を吐けばまた先程のように"敵意"を向けられるのではないか。刃物を突き立てられ、身体中が動かなくなるほどの殺気を浴びさせられるのでは無いだろうか。
そう思えば思うほど体はガタガタと震え、嫌な汗が流れ身動きが取れなくなっていく。
退屈そうに肘を着く金髪の男性は溜息をつくと椅子から立ち上がる。
恐怖しか頭にない私の目の前に、気づくと美しい顔があった。
「うぇっ！？！」
驚き声を上げる私を見てか男はくつくつと笑い始めた。
gr「貴様は見たところ潜入などというものには向かない性格をしているのだな。
我が名はグルッペン・ヒューラー
この独立国家我々王国を統べる者だ。
貴様名をなんという？」
「Aです、、佐々木A」
グルッペンと名乗る男の綺麗な容姿と重低音の声に引っ張られつい自分の名を口にしてしまう。
いやまぁ、名乗らなかったら首締められてたかもだしな。これでいいんだ。多分。
というか、我々王国なんて聞いたこともないぞ？
てか、この人絶対日本人じゃないよな…。
ジロジロとグルッペンさんを見ていると、美しい瞳がこちらを捕える。
gr「なんだ、ジロジロ見て。
まぁいいだろう。ではまず最初の質問に戻ろう。
お前はどこから来たのだ？」
「日本です、」
gr「日本、？聞いたことないな。どこの国だそれは」
いやどこの国て日本て国なんですけど、など言えるはずもなく。やむなく黙っていると、さっきまで黙りしていた黒髪少年が口を開く。
「もしかして東の倭国のことじゃないかな
そちらの人種に容姿が似てる。
俺の武器もそこで作らせているんだ」
違う？と声をかけられ、多分そうかも知れないけどどう見ても多分これ転生なんだよな。
そう考えながら問いかけにうんうんと首を縦に振る。
gr「倭国か、聞いたことがあるゾ。
あそこは平和主義のぬるい連中がうじゃうじゃいるとこだったな。
だがまたどうしてそんな国のやつがこんな遠い土地の森にいるんだ。スパイか？」
「違いますっ。あの、信じてくれないかも知れないんですが話を聞いてください。」
私は覚えている限りのことを全て打ち明けた。
まずスパイなどではないこと、1度死んだこと、気づいたらあの森にいたこと。
余さず全てだ。
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作者名：おにく。 | 作成日時：2020年9月18日 3時
