どうやら異世界転生したそうですよ。【wrwrd】 (ページ2)

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状況を整理するため考えるがやっぱり分からん。

顎に手を当てうーんと首をひねっているとガサリと後ろで草を踏む音。
本当にたまたまだがえ？？と後ろを振り向く際少し右に体重が移動した。それが幸いだった。

目の前には銀の鋭い刃。
ギラギラ光るそれは二度目の死を悟らせるには十分な物だった。

「ぅおわっ！？」

ビックリしてそのまま女らしくない声をあげ情けなく腰がぬけて尻もちをつく私。

それを見下ろす緑の男は第二波を仕掛けるべく手に持っている物騒なものを振り下ろそうとしている。
人間は死が迫れば思考が早くなるとは本当らしい、
何が何か分かっていないのに死ぬ！！と思った私はその首を狙う刃をスレスレで避ける。

男は舌打ちして素早い動きで次は私に跨り首を締め上げる。殺される恐怖と何が何か分からない私は、本気で殺しにかかる人間の目と手に篭もる力に混乱して上手く息がままならない。

ヒュッと何とか軌道を確保しようと身体がギリギリで踏み留まろうとする。
すると赤い瞳を揺らした男は口を開いた。

「お前、どこの国のもんや。
ここへ何しに来た。全部吐け。
さっきは運が良かったけどな、次はもう外さんで？
どうする？綺麗に剥がれた自分の顔の皮見たいんか？」

ニタリと笑った口角は今まで見た何よりも恐ろしいもので、だが質問の意図が分からない私はただただ固まるだけだった。すると男がピタリと動きを止め何かに聞き入るように黙りを決め込んだ。

段々と私の首を絞める力が緩んでいき、今だ！と思った私は咄嗟に男を突き飛ばし自分でも信じられないくらいの速さで森をぬけていく。

逃げなきゃ死ぬ。

殺される。

恐怖は体を支配し、進める足を早めていく。
走って数分。森の端が見えてきた。
私は息も絶え絶えで必死に走った。

が、

森をぬけた先はまた見知らぬ場所。
灰色の石の壁はそびえ立ち、上を見上げれば赤色の旗がたなびいている。
声が出ない。隠れなきゃ。

私は石の壁をつたい、建物の中に身を隠そうとした。
腕を誰かに掴まれるまでは。

「あんた、誰？」

掴まれた方を見ると白い軍服をきっちり着こなした口元に十字の傷がある黒髪の青年。
思わず見惚れていると、彼はまた口を動かす。

「さっき、ゾムが言ってた侵入者？？」

ゾム……？？聞き覚えのない名前に一瞬考えようとしたがふとさっきの記憶が頭を駆け巡る。
緑の"アイツ"のことだ！！！
私は反射と同時に掴まれた腕を振り解いた。