乙骨憂太【ドS】説

その2 里香ちゃん ページ3

。


日本国内での怪死者・行方不明者は年平均1万人を超える。


「その殆どが人の肉体から抜け出した負の感情、″呪い″ の被害だ。中には呪詛師による悪質な事案(もの)もある。
呪いに対抗できるのは同じ呪いだけ。ここは、呪いを祓う為に呪いを学ぶ、都立呪術高等専門学校だ。」

《事前に言ってよ！》

《今教えたの！？》

《メンゴ！》



コイツ絶対悪いと思ってない。


「あ、早く離れた方がいいよ」

【？】


悟の言葉に、私たちが頭にハテナを浮かべていると、黒板の中から手が出てきて、真希の呪具を鷲掴みにした。
そして、もう片方の手で私たちに襲いかかる。


［ゆゔだを゛ををを 虐めるなぁ゛あ゛］

「待って！里香ちゃん！！」



教室は地獄絵図に変わった。



…転校生と ″里香ちゃん″ とやらに逆にシメられた後、悟が彼の自己紹介と、里香ちゃんについての説明をした。
そして、私たちの番。一通りボコられたから自己紹介なんかする気になれず、悟が勝手に始める。


「呪具使い 禪院真希。呪いを祓える特別な武具を扱うよ」

「……」

「呪言師 狗巻棘。おにぎりの具しか語彙がないから頑張って」

「こんぶ」

「式神使い 四ノ神 A。珍しい動物いっぱいだから今度見せてもらいな」

『1番の珍獣がこちらに』

「パンダ」

「パンダだ。よろしく頼む」


「とまぁ、こんな感じ」



何故か驚いた顔をしている乙骨を放って、悟は1年が5人揃ったことに感心している。
そして何事も無かったかのように午後の呪術実習について話し始めた。



「2-3に分かれてやるよ。棘・パンダペア」

「がんばろう」

「真希・A・憂太の3人」

『う、』

「げっ」

《うげって言った！》

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