その9 庇護欲 ページ10
。
数週間後。教室で同級生との駄弁、及び青春に花を咲かせていたところ、またもや担任がハイテンションで入って来た。
「A〜っ!朗報だよ!」
『げ、嫌な予感…』
「君に任務の依頼だ!」
『ほらぁやっぱりぃ』
「諦めろ」
「悟の朗報が朗報だった事ないだろ」
「しゃけしゃけ」
何でも、″隠″ に特化した呪霊が居るらしく、何人もの術師が向かったけどどれも消息不明。もしくは本体を叩くまでに時間が掛かってしまい、満身創痍で撤退を繰り返しているらしい。どういう状況なんだろそれ…
「Aの術式なら、索敵範囲広いし優秀だから何とかできるかなって思ってさ。あ、憂太も一緒ね」
「え、僕もですか?」
「うん。Aも呪具を使って祓ってるし、呪力の流し方とか上手だから見て学びな」
『そんな褒めても私の気分が上がるわけじゃないからね…はぁ。行くか。憂太、10分後に門の前ね』
「あ、うん!」
_______________
校門前に着くと、憂太がもう来ていた。なんだかソワソワしてるけど大丈夫かな。トイレかな。てか、そんなに時間経ってないはずだけど…
『ごめんね。待たせた?』
「まさか!僕もついさっき着いたんだ」
『そう?なら良かった…で、なんでそんな挙動不審なの?トイレなら行ってきていいよ?』
「え!?ち、違うよ!ただ、ちょっと心配事が…」
『心配事…?あ、こないだの時みたいになるかもってこと?』
「それもあるけど……Aさんを守れるかなって」
私を……守る?え、なんで???
あ、この間私の事弱々しいって言ってたし、そこから私を守らないとっていう気持ちになってるのかな。
でも私、そんなに守られなきゃいけない訳じゃないんだけど…コッチに来て長いし、何より任務もそれなりにはこなしてる。
『どうしてそんなこと思ったの…?』
「庇護欲、かな。Aさんは僕に守られるのは嫌だった?」
『え?』
「僕は君を守りたいと思った……Aさんは、嫌?」
『い、えと……嫌、じゃないけど…でも、』
「良かった……あ、車来てる!行こっか!」
『え、あ、憂太!?』
子犬のような顔をして聞いて、少し余裕そうな笑みを浮かべて聞き直して、花が咲いたように笑って安心して。
そこから私の手を引いて走り出す憂太。
彼は私を揶揄っているのだろうか。
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駆凪 - すごく面白いです!!頑張ってください。更新楽しみにしています!! (2022年9月6日 14時) (レス) @page15 id: a1142e8383 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル - 更新頑張ってください! (2022年3月3日 15時) (レス) @page14 id: 5e9880aea0 (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - すずもりさん» ありがとうございます!励まされますとても! (2022年1月16日 21時) (レス) id: af5db7d0f8 (このIDを非表示/違反報告)
すずもり(プロフ) - めっちゃ面白いです!ドSな乙骨先輩いいですよね〜(笑)更新頑張ってください! (2022年1月16日 20時) (レス) @page9 id: 850617dc48 (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - ソナさん» 需要に合って何よりです!ありがとうございます! (2022年1月16日 10時) (レス) id: af5db7d0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yasaiblk | 作成日時:2022年1月15日 18時