その14 頼って ページ15
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その後、憂太の作戦通り私たちは動いた。憂太と、念の為フォローができるように白虎を出したままにして、完全に私が死角に入った時に武具で祓った。
祓い終わった時には憂太は軽傷、私は右肩以外は目立った怪我は無く、憂太に支えられながら建物の外に出ると、空は帳がないのに真っ暗で。相当な時間が経っていたことが分かった。
「Aさん、大丈夫…?」
『うん。歩けるし……ちょっとフラフラするけど』
「ごめんね、僕も早く気付いてれば…」
『1級案件だったのに生きて帰れてる時点で良いのよ
……まぁ、悟には言っておかないとね』
補助監督さんの車を待つ間、他愛も無い話をしていたけど、予定時間より遅れている事に途中で気がついた。
まぁしょうがないか…と思っていたけど、一応の応急処置で済ませただけの右肩の痛みと貧血が増してきた。
悟られないように、平静を保つもかなり限界が近い気がする。
『憂太、ごめ……』
「Aさん……?Aさん、やっぱり怪我酷かったんじゃ!?ごめん、僕全然気が付けなくて…」
『だい、じょうぶ……でも、ちょっと限界近い…かも』
「……ごめん、嫌なら言ってね」
『え?………わっ』
断りを入れたあと憂太は、私の頭を自分の膝に押し付けた。所謂"ひざまくら"と言うやつだ。そして何事も無かったかのように私の制服を脱がせ始めた。
『ちょ、憂太さん?盛らないで?』
「違うよ!止血、直接やった方がいいからだよ!
それに、Aさんすごく辛そうだから少しでも楽にしてて欲しいと思って…」
『でも……申し訳ないよ、やってもらいっぱなしで』
そう言いながら憂太の顔を少し見上げると、それはそれは優しい顔をしていた。
「大丈夫。僕がいるから頼っていいんだよ、Aさん。頼りないかもしれないけど……僕が居る時は無理しないで」
そう甘やかす声で言うから。
私も気が抜けたのか、憂太のこの言葉を聞いたあとすぐに意識を手放した。
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駆凪 - すごく面白いです!!頑張ってください。更新楽しみにしています!! (2022年9月6日 14時) (レス) @page15 id: a1142e8383 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメル - 更新頑張ってください! (2022年3月3日 15時) (レス) @page14 id: 5e9880aea0 (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - すずもりさん» ありがとうございます!励まされますとても! (2022年1月16日 21時) (レス) id: af5db7d0f8 (このIDを非表示/違反報告)
すずもり(プロフ) - めっちゃ面白いです!ドSな乙骨先輩いいですよね〜(笑)更新頑張ってください! (2022年1月16日 20時) (レス) @page9 id: 850617dc48 (このIDを非表示/違反報告)
おちゃ(プロフ) - ソナさん» 需要に合って何よりです!ありがとうございます! (2022年1月16日 10時) (レス) id: af5db7d0f8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:yasaiblk | 作成日時:2022年1月15日 18時